「待ってる」
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「ん……」
ふと気がついて目を開けると
見慣れない天井が映った。
頭がボーっとする。
何度か瞬きをしているうちに
意識がはっきりとしてきた。
そうだ。
私、ゾロとホテルに泊まることになって
シャワーを浴びてたんだ。
でも今はベッドの上で
ちゃんとホテルのルームウェアを着て
布団をかけて寝ている。
窓の外が明るいし、もう朝みたい。
「………ガァァァ…ゴォォォ……」
横から聞こえてきたいびきに
ハッとして起き上がる。
隣を見ると、ゾロが大口を開けて眠っていた。
それを見て、やっと状況を理解した。
完全にやらかした。
宴で慣れないお酒をたくさん飲んだ後に
熱いシャワーを浴びたりしたから
お酒が回って倒れたんだ。
浴室で、裸のまま。
それが今、ちゃんと下着も着けて
服を着て寝てるってことは……
着せてくれたのは紛れもなく横にいるこの人で……
一気に全身が沸騰したように熱くなる。
……裸を見られた?
頭から布団をかぶって隠れるように丸くなる。
穴があったら入りたい。
酔い潰れて裸で倒れたところを見られ
服まで着せてもらった。
ゾロの、好きな人の前でまさか
こんな大失態をおかしてしまうなんて。
起きたらどんな顔をしたらいいのかわからない。
「……おい。」
背中の後ろから低い声が静かに響いて
思わず身体が強張った。
起きてしまったようだ。
「まだ具合悪ィのか?」
シーツの中で丸くなる私に向かって
珍しく心配そうな声色だったので
目の下までシーツを下げて半分だけ顔を出した。
恥ずかしさから、少しでも隠れたかったから。
昨晩真っ裸を見られているんだから
今更こんなことをしても無意味なのはわかるけど
せめてもの抵抗だった。
そこには見たことのないくらい
優しい顔の彼がいた。
「……あの、私、昨日……」
「風呂場で倒れてた。」
あぁ、やっぱり。
「ご迷惑をおかけしました。」
「面白ェもん見た。」
ゾロは楽しそうに笑った。
その笑顔に少しホッとする。
「チョッパーんとこ行くか?」
「大丈夫。よく寝てスッキリした。あの…この服……」
「…あァ……」
ゾロから笑顔が消え
視線を逸らしてぽりぽりと頬を掻く。
「裸のまま寝かせとくわけにいかねェだろ。」
やっぱりね。そうだよね。
想像がリアルになって
沸騰したように顔が熱くなる。
「安心しろ。目瞑ってやったからよ。」
ショックを受けている私に気付いたのか
言い訳をするようなゾロの言い方に
私は思わず笑顔になる。
「嘘。目瞑ってたら着せられないでしょ?」
「うるせ。」
もう何も言わねェ、と言わんばかりに
反対側へ寝返りを打ち、背中を向けたゾロが
なんだか愛おしくて
そっとその背中におでこを当てて寄り添った。
暖かいゾロの背中の温もりを感じて
結局そのまま私たちは2人して二度寝してしまい
私は買い物の約束をしていた
ナミとロビンとの待ち合わせ時間に遅れ
お詫びに2人にケーキをご馳走するハメになった。