ただの仲間のフリはもうしねェ
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どうしてこんなに、イライラするのか。
やりたいことはやりたいようにやってきて
欲しいものは必ず手に入れてきた。
ここまで思い通りにならないことは初めてで
おれなりに気を使って接してみるが
どうも伝わっているようには見えない。
どうやったら手に入るのかも全くわからない。
戸惑っている自分にも
全く気付かないミドリにもまた、イラつく。
「パスタにするね。」
よそよそしくそう言って視線を逸らすミドリに
コイツ、気付いてるな。
そう思った。
気付いてるクセにどうして
何もわからないフリをするのか。
今まで通りでいようとするのか。
もういっそのこと
好きだと言っちまえばいいのか。
思い立ってダイニングへ戻ると
ミドリはカウンターで寝ていた。
髪を撫でて、頬に触れる。
「ミドリ…おれのもんになれ。」
試しにそう言ってみると、瞼がピクリと動いた。
起きてやがる。
なおも寝たフリを続けるミドリに
妙に腹が立った。
「そうやって気付かねェフリ続けるつもりか。」
半ばヤケクソで、唇を押し付けてやった。
いい加減目を開けろ。
目を開けて、認めろ。
おれとキスしたって。
もう、ただの仲間じゃねェってな。
「………」
それでもなお、ミドリの瞼が開くことはない。
「諦めねェから。」
最後にそう伝えてダイニングを後にした。
どうしてこんなに、イライラするのか。
どうしてこんなに、あいつが欲しいのか。
この気持ちには前から気付いてた。
ミドリが他の野郎に笑いかけてるだけで
全身の血が逆流しそうなほど怒りが湧く。
どうしておれのもんじゃねェのか。
どうしたらおれのもんになるのか。
これ以上のやり方が、おれにはわからねェ。