First Love
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「じゃあゾロ、ミドリが起きたらまず氷枕を替えてやってくれ。昼飯を食べたら、薬は医療室の台の上に置いてあるから。おでこのタオルはぬるくなってきたらすぐ替えてやるんだぞ。」
「わぁったよ。さっさと行け。」
「じゃあ、よろしく頼むな!」
そう言い残すとチョッパーは船を後にした。
「おいマリモ、おれは少し寝てくるけどミドリちゃんに変なことするんじゃねェぞ。おれは本当はお前が介抱するなんて反対なんだ。」
「あ?変なことって何だよ。いいからてめェは黙って寝とけ。二度と起きなくていいぞ。」
「なんだと?」
サンジの怒りの声を無視して
ゾロはそのまま医療室へと向かった。
ガチャ——
「入るぞ。」
医療室には規則正しく寝息を立てているミドリ。
そのベッドの隣にある椅子に座るゾロ。
思ったより顔色が良さそうで安心していた。
鈍感なゾロでも、こうなったのは自分の責任でもあるのだろうか、と少し反省もしていた。
ミドリを傷付けたのは自分だ。
でもあの時ゾロは、自分の素直な気持ちを
伝えただけで、他に言いようがなかった。
それでも
「…悪かった……」
眠っているミドリの頭をポンポンとする。
「お、ぬるくなってるな。」
ミドリのおでこからタオルを取ると
氷水で冷やし、絞ってもう一度おでこにのせた。
「…ん……」
「やべ…起こしちまったか…?」
「……スースー。」
また聞こえ始める寝息に安堵する。
「……ごめんね…ゾロ…」
小さな寝言だったが、十分ゾロに聞こえていた。
眠っていてもわかるほど腫れたまぶたから
一筋の涙が流れた。
自分の夢でもみているのだろうか…
「……お前が謝ることなんてねェよ…」
そっと指でその涙を拭う。
薬のせいか、深く眠るミドリの顔を
ゾロはただただ見つめていた。
昨日言われた言葉を思い出す。
——ゾロといたいんだもん。
——本当はケーキだって…ゾロと2人で食べたかった…
——まだわからない?ゾロが好きだって言ってんの。
——私は…ゾロの彼女になりたいの。この意味わかる?
どうしてこいつは、おれのことをそこまで…
こんなこと言ってくる女は初めてだ。
おれだってこいつのことは、もちろん大事だ。
なんとかミドリの気持ちに応えたいが
どうしたらいいのか全くわからない。
柄にもなく頭の中でぐるぐると考えてしまう。
「……くそ。考えるのはもうやめだ。……本でも読むか。」
適当にその辺にある本を手にするゾロ。
「…………グー…」
難しい医学の本を手に
眠りに落ちるのは一瞬だった。