肌を重ねたなら ver.z
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次の島へ向かって、船は調子よく進んでいた。
昨日は大荒れの天気だったけど
気まぐれなこの海、今日は穏やかな気候で
落ち着いている。
朝食を済ませ、各々自由に過ごしている中
私は天気のいいうちに、と
皆の分の洗濯を済ませることにした。
大量の洗濯物を甲板に干していると
手伝いに来てくれたのはナミ。
「ありがと、ミドリ。誰もやらないから助かる。」
「ここんとこ天気も悪かったしね。」
そこへあくびをしながらゾロが通って
私は目を合わさないよう、干した洗濯に顔を隠す。
正直、どう接したらいいのかわからないから。
ゾロが通り過ぎようとしたとき
ナミが声を上げる。
「ちょっと!あんた素通り!?」
「あ?」
「この洗濯の山が見えない!?少しは手伝いなさいよ!」
あぁ、ナミ。
洗濯は私が頑張るから
どうかこの男を引き留めないで。
「チッ…昼寝でもしようと思ってたのによ…」
「さっき起きたばっかでしょ!あんたのパンツだってあるんだからね!」
「わァったよ。」
ゾロはダルそうに頭をかきながら
私の隣に立ち、しぶしぶ服を干し始めた。
ナミと3人で洗濯物を干す中
私たちの間には微妙な空気が流れる。
まぁ意識しているのは私だけみたいだけど…
「ナミ〜!クリマタクトの調子悪いって言ってたろ。見てやるよ。」
「そうだった!ありがとウソップ!ちょっと行ってくるね。」
「うん、あとはやっとくから。」
あぁ、そんな…2人にしないで…
内心そう思いながらも
ウソップに呼ばれたナミを笑顔で見送る。
「ナミの奴、逃げやがったな…」
隣でゾロは静かに文句を言っていた。
ゾロもこういうヤツだし、普段からよく
おしゃべりをするわけではなかったけど
今は余計に何を話したらいいのかわからなくて
ただ黙々と、服を干す手を動かした。
でも頭の中は昨夜の事でいっぱい。
——ミドリ……
熱のこもった瞳で私の名前を呼ぶゾロの顔。
今横にいる彼とのギャップに
思い出しただけで全身が熱くなる。
あの時は本当に愛されているような感覚だった。
絶対に勘違いだけど。
ゾロのあんな男の顔を知ってしまった今
これまで通りに接することなんて、きっと不可能。
ただの仲間のひとりになんて戻れるはずもない。
経験しておくか、なんて
あんな軽いノリでするもんじゃなかった。
それに……
——好きでもない相手にこんなことしねェ
その後の出来事でいっぱいいっぱいで
ちゃんと確かめられずにいたけど
確かにゾロはそう言っていた。
ゾロが私をすき?
もし、本当にそうだとしたら……
どうしよう。私、嬉しい。