肌を重ねたなら ver.z
お名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「……ミドリ…」
「ゾロッ…あ、ダメ……」
「本当に嫌ならやめる…」
「……や、じゃない…」
どうして、こんなことになったのか。
頭が真っ白で、もう何も考えられない。
私の上に乗って
目を閉じ、眉間に皺を寄せ
快楽に溺れるゾロ。
かと思えば、熱のこもった瞳で私を見下ろす。
いつも冷静で、何事にも動じないこの男が
我を忘れるほどに夢中になってる。
今、ゾロにこんな顔をさせているのは私なんだって
ものすごくドキドキした。
肌を重ねたなら ver.z
それは、ゾロがいつもトレーニングに励む
夕食後のこと。
展望室にいるゾロに差し入れるため
飲み物を手にやってきた。
それ以上の用事があるわけではないけど
なんとなく座って、ゾロが筋トレしている様子を
そばで眺めながら、少しだけ他愛のない話をする。
いつもの風景。
でも、今日はいつもより長く居座って
話をするわけでもなく
ゾロのトレーニングの様子をただ眺めていた。
「……どうした。」
ふとゾロは持っていたダンベルを置いて
汗を拭きながらこちらに来る。
「何でもないの。邪魔なら出てく。」
「いや、構わねェ。」
そう言うとゾロは
私が差し入れた飲み物を飲みながら隣に座る。
「なんかさ、ゾロが無心でトレーニングに励んでるとこ見ると、私も頭空っぽになれる気がして。」
「いつも空っぽだろ。」
「失礼な。」
「なら、何をそんなに考え込むことがある。」
「……あのね、今皆とこうやって旅をしていて、毎日大変だけどすごく楽しくて。でも……平穏な暮らしの中で誰かと恋をしたり、家族になったり、そういう幸せもいいなって、最近思うの。」
「……この船を降りてェのか?」
「違う。ここの皆が大好きだもん。でも今の生活はいつ命を落とすかわからないような毎日でしょ?女として普通に幸せになるのもいいなって話。」
恋はしたことがない。
恋に溺れる自分なんて想像できない。
今は仲間たちと命を張って生き抜いていく
この日常が、なんだかんだ幸せ。
それでも、誰かに愛されてみたい。
誰かの一番になってみたい。
心の底から愛し合い、触れ合ってみたい。
そんなふうに思うのは、年頃の女の子なら
当たり前なことだと思うんだけど……
「ごめん、男のゾロにはわからないよね。」
「あァ、全然わかんね。」
「女の子なら、きっと皆考えるんだよ。誰かに愛されるのってどんな感じなのかなって。このまま歳を重ねて、キスとか…好きな人と抱き合ったりとか…そういう経験のないまま、おばあちゃんになっちゃうのかなぁって……不安になったりするんだ。」
なんでこんなこと、ゾロに話してるんだろう。
と、思いながらも、全て自分の素直な気持ちで
ゾロ相手でも、吐き出したら
なんだか少し気持ちがスッキリした。