気がつけば
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今日の出来事もあって
今更ながら、自分のゾロへの気持ちに気付いた。
ゾロの告白を聞いてから
いつもゾロのことばかりが頭から離れなかった。
うまく接することができなくなって焦っていたのは
ゾロに嫌われるのが怖かったから。
攫われたとき
あの場にはルフィもウソップもいたはずなのに
咄嗟に叫んだのはゾロの名前だった。
ゾロに一番に助けに来てほしかったし
実際ゾロが来てくれて嬉しかった。
気がつけば私は
恋に落ちている。
「私もゾロが好き。」
繋がれた手をぎゅっと握って
真っ直ぐに見つめて伝えた。
予想外の言葉だったようで
ゾロは目を見開いた。
気持ちを伝えるのは死ぬほど恥ずかしい。
ゾロもこんな気持ちだったの?
こんなに勇気を出して言ってくれたのに
私はその気持ちをないがしろにして避けたりして
ひどいことをしてしまった。
「待たせてごめん。」
恥ずかしさと申し訳なさで
つい俯いてしまう。
「何も謝ることなんかねェよ。」
今度はゾロの手が、私の頬に触れる。
あつい。
「夢みてェだ。」
真っ直ぐに視線が交わりながら
ゾロの顔が近付いてくる。
「ま、待って、ゾロ。」
「いいから目、閉じろ。」
「その…そういうの、まだ恥ずかしいっていうか……」
ついさっきゾロへの気持ちに気付いたばかりで
ただでさえどうしたらいいのかわからないくらい心臓はバクバクなのに
急にこんな、恋人同士みたいな……
「おれが、どんだけ待ったと思ってんだ。」
ダメ押しだった。
意を決して目を閉じる。
頬にあったゾロの手が
耳を撫でながら首の後ろへ伸びる。
ゾロの息遣いが近くなる。
来る。
唇に
——ではなく頬に、柔らかい感触。
すぐに離れたので目を開けると
ゾロは罰が悪そうに目を逸らした。
「とりあえずはそこで我慢しとく。」
まだ感触が残る頬に触れる。
沸騰しそうなほど顔が熱い。
「待つのは慣れてるからよ。」
ニッとゾロが笑い
向きを変えて歩き出す。
「あいつら探しに行くか。世話が焼ける。」
「うん!」
私はそっとその手を取って隣を歩いた。
…fin