気がつけば
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たちまち周りにいた敵が
大勢でゾロに向かっていく。
案の定、バタバタと倒され
ものすごい速さでゾロは台の上までやってきた。
「……どういう状況だ?こりゃ。」
敵に攫われたはずの私は
すぐに逃げ出せるような場所で縄も解かれ
もてなされているものだから
ゾロも予想外だったようだ。
「……なんか、結婚相手を探していたみたい。」
「あァ?それでお前を?」
「この人たち、仲間に女性がいないようで。」
「ふざけんな!この女は返してもらうぞ!」
隣にいる私を攫った張本人へゾロが大口開けて叫ぶけど、相手はキョトンとしている。
「言葉が通じないみたいなの。」
「なんだと?」
面倒臭ェな、と呟きながらも
ゾロはその人に向かってジェスチャー付きで説明をした。
「コイツ。おれの。おまえのちがう。」
別にゾロのものじゃないんだけど…
どう突っ込もうか悩んでいると
不思議なことにゾロの言葉が通じたのか
敵は急に槍を構えて襲いかかってきた。
「下がってろ。」
ゾロは私を後ろ手に刀を構えると
一瞬で敵はその場に倒れた。
「安心しろ、峰打ちだ。行くぞミドリ。」
「うん。」
ゾロが手を差し出してくれたので
それを取って立ち上がる。
と、そのままその手を握られ
ジャングルへ向かって歩き出した。
「向こうも片付いてる頃だろ。はぐれちまったな、面倒臭ェ。」
キョロキョロとルフィ達を探しながら
私の手を引いてジャングルを歩くゾロ。
熱くて
ゴツゴツしていて
大きな手にドキドキする。
「ゾロ、手……」
このままじゃ恥ずかしくて
心臓が爆発しそうで
掌になんだか変な汗もかいてきちゃったし
我慢できなかった。
でもその手が離されることはなく
ゆっくりと歩きながら、ゾロは静かに話し始めた。
「……あの時は忘れろって言ったけどよ…それ取り消す。」
「……え?」
繋がれたままのゾロの長い指が
私の手を撫でるようにするりと動き
指と指が絡まる。
「おれが言ったこと忘れるな。もっとおれを意識しろ。」
立ち止まって振り返り
身をかがめて、視線を合わせてくる。
「おれを見ろ。」
その力強い視線から目を逸らせない。
「おれだけを見ろ。」
じりじりと詰め寄られて
額と額がぶつかりそうになるほど顔が近い。
「いい加減落ちろよ。」
私は空いている手を伸ばして
ゾロの頬にそっと触れた。
「……もう、落ちてるよ。」