気がつけば
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「離してよもう!どこ連れてくのよ!」
「………」
「せめてこの縄ほどいて!食い込んで痛い!!」
私がどんなに叫んでも
言葉がわからないのか、何も答えない。
ものすごい速さで木の枝と枝を飛び移りながら
ジャングルの奥へ奥へと進んでいく。
すると、先住民の集落のような場所へ着いた。
そこにはさらに大勢の先住民たちが集まっていて
その中心にある祭壇のような台の上へ連れて行かれ、座らされると縄を解かれた。
「え?逃がしてくれるの?」
その男は隣に座ると、戸惑っている私の頭に
木の枝で作られた冠のようなものを乗せる。
瞬間、周りにいた仲間たちから
ウォー!!と歓声が上がった。
それから私たちの前に
お酒や肉、果物といった食べ物が並べられていく。
それ以上危害を加えてくる様子は見られないし
仮面で顔は見えないけど、なんだか皆嬉しそう。
私はすっかり逃げ出すタイミングを失っていた。
これは…何かの儀式?
2人の男女を前に大勢の人が祝福の声をあげる。
これって……
「………結婚式?」
なんとなく察しがついた。
見た感じ、彼らの中に女性はひとりもいない。
男だらけの先住民族。
きっと、お嫁さんになる女性を探していたんだ。
そしてたまたま見つけた私をお嫁さんに……
「むっ無理無理無理無理!!私無理です!!」
慌てて顔の前で両手を振るも、言葉が通じないものだから、私も喜んでいると思われたようでその手を握られた。
「ちがうって!ダメ!結婚!ダメ!わかる!?」
全く通じない。
どうにか逃げ出せないだろうか。
隙を伺っていると
「おい。」
先住民たちの後方で
木々の間からゾロが現れた。
とたんに不安だった私の心は
大きな安心感に包まれる。