気がつけば
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結局そのまま
どうしても顔を合わす食事の時間意外は
ゾロを避けるように生活していた。
少しあからさまかもしれない。
それでも、ゾロを目の前にすると
あの時の告白を思い出して顔が熱くなるし
平常心でいられなくなるし
どんどん挙動不審になっていくし
自分でもどうしたらいいのかわからない。
今まではもっと気楽に話しかけられたし
一緒に笑ったり、ときには喧嘩をしたり
でもまたすぐに笑い合って
いい関係を築けていたのに。
前みたいには、もう戻れないのかな。
後甲板でひとり悩んでいると
目頭が熱くなってきた。
泣いてしまいそう。
「おい。」
ゾロの声が後ろから響いた。
「ゾロ……」
「泣いてんのかよ。」
隣にやってきて、顔を覗かれる。
ギリギリまだ、涙は流れていなかった。
「泣いてないよ。」
「目赤いぞ。」
鋭く突っ込まれて、それ以上何も言えないでいた。
「……お前にそんな顔させたくて、言ったわけじゃねェよ。」
大きな掌が私の頭を包むように乗せられた。
いつも刀を持って、トレーニングしている
鍛えられた手のはずなのに
それは意外なほど優しくて
なぜか堪えていた涙が頬を伝った。
「悪かったよ、悩ませて。避けられても仕方ねェ。」
「私もごめん……どうしたらいいのかわからなくて、ついゾロを避けちゃって……」
涙で目の前がにじむ。
「この間のアレは忘れていい。」
「……え?」
「もういいから、何も気にすんな。今まで通りにしろ。」
ゾロは私のためを思って
そう言ってくれたんだろうけど
私はなんだかその一言が気に入らなかった。
あの日
ゾロはきっと意を決して伝えてくれたはずなのに
それを簡単に忘れろって言うなんて
ゾロらしくない。
「今まで通りになんて…何度もそう思ったけどもうできないよ!忘れろなんて言うなら…最初からあんなこと言わないでよ!!」
つい、声を荒げてしまった。
ゾロの手を払って
その場から逃げ出した。
怒りたかったわけじゃないのに。
今までみたいに
大事な仲間のひとりに戻りたいだけなのに。
あの日から急に
仲間だったゾロが、私の中で”男”になって。
もう前のようには戻れない。
きっとゾロも悩んでいるのに
八つ当たりするような言い方をしてしまった。
これじゃあ、ますます
これから気まずくなってしまう。