First Love
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展望台の入口から顔を出すと
フランキーの言っていたとおり、そこにゾロはいた。
「ゾロ…」
「おう、おやつは食えたか。」
「うん、フランキーと食べた。これゾロの分ね。」
「わざわざ持ってこなくても、おれの分も食ってよかったのによ。」
「そんなに食べられないよ。」
「そうか。」
自然と笑い合う。
ゾロの笑顔は、私の胸をキュンと締め付ける。
こんな気持ちになるの、やっぱりゾロだけ。
さりげなく隣に座った。
心臓はすでに、破裂しそうだ。
「ゾロってさぁ…」
「あ?」
「その…どんな女の子が好きなのかな?」
「あ?」
なんだ急に…と呟きながらポリポリと頭をかくゾロ。
「そんなこと考えたこともねェよ。興味もねぇ。」
「そっか…そうだよね。」
「そうゆう相談ならおれよりコックのとこ行け。まだ帰ってきてねェのか?」
「いいの…ゾロといたいから。」
「!!」
少し驚いた表情のゾロ。
「…本当はケーキだって…ゾロと2人で食べたかった……」
「別にフランキーでもおれでも、どっちだって——」
「まだわからない?ゾロが好きだって言ってんの。」
鼻の奥がツンとする。
ヤバい。涙が出そうだ。
堪えるように唇をグッと噛み締めて
ゾロがそれに気付いて少し焦り始める。
「おい、何泣きそうになってやがんだ!おれだって別にお前のことは普通に好きだ。」
「そうじゃない!ゾロのとは違う!」
「…?」
「私は…ゾロと恋人同士になりたい……この意味わかる?」
ついに、言ってしまった。
恐る恐る顔を見ると
固まっているゾロの表情。
「………。」
「………。」
気まずい沈黙をゾロが破る。
「わりィな、気が付かなくて…」
「私も…やつあたりみたいになっちゃってごめん…でも…伝えたくて…」
「その…ありがとな。」
ポンポンといつものように頭に手を乗せられる。
「でも…そういうのよくわかんねェし、お前の気持ちはありがてェけど、なんだ……応えることはできねェ。」
スッと頭から手が離れる。
やっぱりね…
予想はしてた。
もともと希望は薄かったし…
「ううん…聞いてくれてありがと。」
「いや…」
「これまで通り、仲間の一人としてよろしくね。じゃあ私行くから。ケーキ食べてね!」
「あ、あァ…」
無理矢理の笑顔をゾロに向けて
その場から逃げるように立ち去った。
かっこ悪い…
でも伝えられて良かった。
私の気持ちをちゃんと、知ってもらえて良かった。
それだけでもう、満足だ。
ーーーーーー
女部屋に逃げ帰ってきた私。
「ミドリ!どうだった?」
「…フラれちゃった。」
ポツリと呟くと
ポロポロと堪えていた涙が両頬を伝った。
ナミにぎゅっと抱き締められる。
ロビンも何も言わずに隣に座り、頭を撫でてくれた。
「そういうの、よくわからないって…まぁ思ってた通りの返事だった。」
「あのバカ男!」
ナミとロビンに寄り添われながら
泣くだけ泣いて
夕食もとらずにそのまま眠りについた。