月の夜に
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それから数日が過ぎた。
月が綺麗だから甲板で飯にしよう、と
また突拍子もないことをルフィが突然言い出して
久しぶりに甲板で宴をすることになった。
コックが準備をする中、先に出されたつまみを前に他の野郎共と飲み始める。
ルフィの気まぐれで始まった月見酒だったが
月の明かりに照らされて
ひんやりとした夜風にあたりながら飲む酒は
確かにいつもより格別だった。
「……私、サンジ君手伝ってくる。」
俺の横で飲んでいたかと思えば
おもむろに立ち上がったミドリは
コックのいるキッチンへとひとり向かった。
急に酒の進みが悪くなる俺。
あいつらが2人っきりなのが柄にもなく気になる。
ミドリの野郎
黙って俺の隣で飲んでりゃいいものを。
どうせうまく話せねェだろうによ。
ーーーーーー
「悪いなァ、ミドリちゃん。」
「い、いいよ。いつもサンジ君に全部やってもらってるし。」
「……ミドリちゃん、前から聞きたかったんだが、俺といると緊張する?」
「えっ、な、なんで?」
「いや、なんかいつも堅くなってるから。」
「そうかな………」
「肩の力抜いてくれ。仲間だろ?」
「そ、そうだよね、ごめん……」
「俺な、悔しいんだよ。」
「悔しい?何が?」
「俺にはあまり笑顔を見せてくれないミドリちゃんがさ、マリモの隣ではいつも笑ってるんだよなァ。」
「ゾロの……?」
「あいつといるときは幸せそうな顔してるんだ。君は。」
「………幸せそう…?」
ーーーーーー
なんなんだ。
飯が出揃って
ミドリもサンジの野郎と一緒に戻ってきて
元々いた俺の隣に座ったと思ったら
向かい隣のロビンとばっか話しやがって。
いつもなら煩ェくらい俺に絡んでくるのに。
かと思えばチラチラと俺の方を見て
目が合えば逸らし
特に話しかけてくる様子もねェ。
数十分、席を離れてる間に何があった。
きっとコックと何かあったに違いねェ。
いてもたってもいられなくなった俺は
ミドリの腕を掴む。
「おい、顔貸せ。」
「えっ?」
ロビンと楽しそうに話していたところを
半ば強引に連れ出した。