可愛くない私とヤツの背中
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親玉を弾き飛ばすと
次々と仲間達がゾロに斬りかかる。
ゾロは私を背に守りながら全ての太刀を受け
部下達を1人残らず倒してしまった。
終わった。
そう胸を撫で下ろした瞬間。
「こいつはお前の女か。」
いつの間にか親玉が私の後ろに立っていて
刀を振り上げた。
「えっ!?」
「ミドリ!離れてろ!!」
間一髪でゾロがその刀を受け止めて
私はその場を離れる。
「うわ!」
ドンッ——
私は道に転がっていた石を踏んで
思いっきり転んでしまった。
「いったぁ……」
体勢を直す頃には勝負は終わっていて
意識を失った親玉が地面に倒れていた。
「何そんなとこで転んでんだよ。」
「だって石が。」
ゾロに手を引かれ立ち上がる。
と、ズキンと右足に痛みが走り
その拍子に足がフラつくと、ゾロが腰に手を回して支えてくれた。
その体制に私は一気に全身が熱くなりながらも
足の痛みに顔が歪む。
「歩けそうにねェな。」
「だ、大丈夫だよ、このくらい。早くサニー号に戻らなきゃね。」
ゾロの手から離れて歩き出すも
右足の痛みに耐えられず、座り込んでしまった。
「強がってんじゃねェよ。」
「でも、もう暗くなってきちゃうし、皆も心配してるだろうし……」
本当に情けない。
急に現れた美人に嫉妬して
敵と戦うこともできなくて
怪我をして、ただの足手まといになって。
好きな人の前で醜態ばかりさらしている。
なんだか涙が出そうだ。
「ほら。」
ゾロが私に背を向けてしゃがみ込んで
両腕を後ろに回す。
「え?」
「乗れ。」
どうやらおんぶしてくれるようだ。
「でも……」
「さっさとしろ。日が暮れる。」
「……うん。」
私は腕を伸ばして、ゾロの背中にしがみつき
全てをゾロに預けた。