可愛くない私とヤツの背中
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「もう大丈夫ですよ。怪我はないですか?」
「はい、大丈夫です。」
私が女性に駆け寄ると
まだ少し怯えた表情をしていた。
「おう、無事でよかったな。」
ゾロが刀を鞘にしまいながら来ると
女性はゾロに抱き付いた。
「剣士さん、ありがとうございました!あなたは命の恩人です!」
それを見て私は胸がモヤッとした。
危ない目に遭っていたんだ。
命を救ってくれた人に、つい抱き付いてしまうのは仕方のないことだけど
自分の片思いの相手にやられてしまうと、あまり気分のいいものではない。
しかもゾロはそれを気にも止めないで
そのまま会話を続けるもんだから
余計に私はモヤモヤした。
きっと可愛くない顔をしていることだろう。
「コイツら何なんだ?海賊か?」
「わからないですけど、たぶん人攫いの人たちです。ここ数日、この近辺で人が攫われてるって噂になってて。」
「そんな噂があるのに、なんでひとりでこんな場所をうろついてたんだ?」
「森にある木苺がどうしても欲しくて。」
言いながら女性はやっとゾロから離れて
持っているカゴの中の木苺を見せてくれた。
「わぁ、真っ赤でおいしそう。」
「この森を抜けた先に私の村があるんです。よかったらご馳走させてください。助けていただいたお礼に。」
「酒もあるか?」
突然の誘い、断ると思ったのに
よほどお腹が空いてるのか、お酒を飲みたいのか
ゾロが食いついてしまった。
「はい。ご用意します。」
「よし、行くぞ。ミドリ。」
「はーい。」
ここでゾロと逸れるわけにはいかない。
それに森を抜けられれば、ルフィ達と合流できるかもしれないし。
私たちは女性についていくことにした。