餅なんか焼かねェ
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「あ、ゾロ。あんたまた寝てたのね。」
ナミの声に反応してミドリがそちらの方を向くと、ゾロがこちらを見て立っていた。
「ゾロも泳ぐ?気持ちいいよ。」
「おうマリモ。泳ぐなら着替えてこいよ!」
「………」
ゾロは何も答えず、また船の後方へと戻っていった。
それを見ていたナミとロビンはクスクスと笑う。
「わかりやすい奴ね、ほんと。」
「可愛いところあるじゃない。」
気になったミドリはプールから上がり、テーブルのジュースを飲む。
「ねぇ、ゾロ何か怒ってた?」
「あんたがサンジ君と仲良くしてるからじゃない?」
「えっ、私のせい?」
「行ってあげた方がいいかもしれないわね。」
「…わかった。」
ミドリはタオルを羽織り、ゾロを追いかける。
ーーーーーー
「ゾロ!ゾロ!」
「あぁ?」
ゾロは先ほどの船尾にいて
明らかに不機嫌そうに返事をした。
ミドリは隣に座り、顔を覗き込む。
「どうして怒ってるの?」
「怒ってる?俺が?」
「怒ってるじゃん。」
「…そうか、これ怒ってるのか。」
ゾロの言っている意味がわからず
首をかしげるミドリ。
その様子を見て、少し面倒臭そうにしながらも話を始める。
「さっきまで俺とここで寝てたくせによ、目が覚めたらお前はいなくて、クソコックとプールで楽しそうにしやがって。すげェムシャクシャしてんだ。怒るようなことでもねェってのに。」
ゾロは頭をガシガシと掻く。
ミドリは嬉しそうに笑った。
「ゾロ、それヤキモチだよ。」
「うるせェ。」
「サンジくんにヤキモチ妬いてたんでしょ?」
「俺は餅なんか焼かねェ。」
「嬉しいな。ゾロがヤキモチなんて初めて——」
「うるせェ口だな。」
ゾロはミドリの頭を抑えると
強引に口付ける。
唇が離れるとミドリは静かになった。
近い距離で視線が交わる。
ミドリは一気に顔が熱くなるのを感じた。
「髪、びしょ濡れじゃねぇか。」
ゾロはミドリが肩に掛けていたタオルで髪を拭いてやる。
「当たり前だよ。水に入ってたんだから。」
ミドリは気持ち良さそうに目を閉じた。
「ずいぶん楽しそうにしてやがったな。あのアホと。」
「泳ぎ方を教えてもらってたの。」
「んなもん俺が教えてやる。」
「ゾロが気持ち良さそうに寝てたから。」
「そういう時は起こせ。」
「起きないくせに。」