First Love
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上陸したのは春島。
温暖な気候で、海岸沿いに一面菜の花畑が広がり
島の中心には街が栄えていた。
「楽しそうな島だな〜。冒険に行くか!」
「おれも行くぞルフィ。この島に危険はなさそうだ。」
「私もお供します!」
しししし、と楽しそうに笑うルフィに
ウソップとブルックも立ち上がる。
その横でサンジくんは
買い出し用の大きな袋を用意していた。
「おれは買い出しだ。ちょうど食料が切れそうだったんだ。チョッパー付き合え。」
「おうわかった!」
「ロビン、私たちも買い物でもしましょ。」
「ええ。素敵なお店がたくさんありそうね。ミドリも一緒にどう?」
ミドリ「私は読んでた本の続きが気になるし、みんな行くなら船番してるよ。」
「悪いなミドリちゃん。」
「平気だよ。」
と、隣にフランキーがやってきて
私の肩に手を置く。
「おれもさっき海王類にやられた船底の修理があるから残るぜ。」
「そっか。よろしくね。」
フランキーの後ろから
ゾロがスタスタと歩いてきて、
急に視界に入ってくる姿に少しドキッとした。
「ちょっとあんた、どこ行くのよ。」
すかさずナミがゾロに声をかける。
「あ?散歩だ。悪ィか。」
「ダメ。あんたも船に残って。」
「なんでだよ。」
「ミドリが船番中に海軍が来たり、どっかの海賊にでも襲われたらどうするの?」
「フランキーがいるだろ。」
「船底の修理してたら、何かあっても気付かないかもしれないでしょ?それにあんた1人じゃすぐ迷子になるんだから。」
「ちっ…仕方ねェな。」
……ナミ、もしかして
2人にしてくれるってこういうこと?
こんないきなり…
まだ心の準備が…
ーーーーーー
甲板にゾロと2人。
「15423……15424……」
鉄の塊が付いた棒を振り、黙々とトレーニングをするゾロの横で私は本を読んでいる。
でも本の中身はほとんど頭に入ってこなくて
本当にゾロに告白するのか
どうやって伝えたらいいのか
ナミにはああ言われたけど、もう言わなくてもいいかな
でも気持ちを伝えてしまいたい想いもある
そんなことばかりが頭の中をぐるぐるしていた。
「フゥ〜…。」
トレーニングを終えたらしいゾロに
そっとタオルを渡す。
「お疲れ様。」
「おう。」
いたのか、と言わんばかりに
素っ気なく受け取ったタオルで汗を拭くゾロ。
何か話さないと……
「あの…ごめんね?」
「何が?」
「私が頼りないから、ゾロも船番になっちゃって…。」
「気にすんな。特に用があったわけでもねェし。」
言いながら頭をポンポンと優しく撫でられる。
この男は無意識に
こうゆうことをしてくるから困ってしまう。
私、また絶対顔赤い…
「風呂行ってくる。何かあったら呼べよ?」
「うん、ありがとう。」
ナミの言葉が頭をよぎる。
——他の女に取られても平気なの?
他の女の子に…?
あの大きな手で…?
さっきみたいに優しく撫でたり…
いやそれ以上のことも…?
そんなのやっぱり耐えられない。
「ゾロ!」
「あ?」
「あの…サンジくんが用意してくれたおやつ、後で一緒に食べよ?」
とっさに思いついたとはいえ
我ながら子どもみたいな誘い方…
変に思ったかな?
おやつくらい一人で食べろって言われるかな…
「じゃあダイニングで待ってろ。」
「あ、うん。じゃあ待ってるね。」
予想外の返事に嬉しくて
つい顔がほころんでしまう。
ゾロの言動ひとつひとつに
こんなにも一喜一憂する自分。
本当に私はこの人のことが好きなんだ。
絶対この気持ちを伝えよう。
自分の中で決意が固まった。