First Love
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「なんだってんだ一体…」
甲板で海を眺めながら
一人ブツブツと呟くゾロ。
「教えてあげましょうか?」
「あ?てめェ何しに来た。」
「あんたのそれはね、嫉妬よ。」
「嫉妬だ?」
「あんたもう自分でわかってるんでしょ?あの子が特別なんだって。」
「……ミドリか。」
「そうよ。好きなんでしょ。」
「………」
「早く伝えないと、あの子いつまでも待っちゃうわよ。それに今はあんたに一途かもしれないけど、周りは男だらけなんだから…いつ他の誰かを好きになったっておかしくないんだからね?まぁあたしから言わせればロクなのいないけど…」
「それは許せねぇ。」
「ほらね。それはもう恋よ。認めちゃいなさいよ。」
「………」
ガシガシと頭をかくゾロ。
「…あいつは?」
「そろそろ来るわよ。」
そう言い残すとナミはダイニングへ戻り
入れ違いでミドリがやって来た。
「ゾロ…あの…大丈夫?」
「………」
真正面からじっと見つめられて
次第に恥ずかしくなってくる。
「情けねェ…」
ゾロはその場にしゃがみ込んだ。
「ゾロ?具合悪いの?」
慌てて目の前に座り視線を合わせる。
心地良い風が2人の間を抜けた。
と、ゾロの手が伸びてきて頬に触れられた。
ゾロの手が熱い。
お酒のせいかな?
その体温が伝わってくるように
私の頬も熱くなってくる。
「……思えば、いつもお前はおれのそばをうろついてたな。」
「なっ…ストーカーみたいな言い方しないでよ。」
「特に気にしちゃいなかったが、いつの間にかそれが当たり前になってたんだな。」
「………」
手のひらの熱と、熱い視線のせいで
言葉が出なくなる。
「おれもお前といると楽だったんだ。お前がいないとどうも落ち着かなくて…今思えば、最初からお前は特別だった。」
「……え…?」
「情けねぇ。こんなになるまで気付かなくて、お前に先に言わせちまった。」
「…っ…うそ…」
ポロッと両目から涙がこぼれ
それを拭うようにゾロは両手で私の頬をを包みこむと
おでことおでこがコツンと合わせさる。
「ミドリ…おれはお前が好きだ。」
低い声で静かに
でもはっきりと伝えてくれた。
「っ…うぅ……」
ずっと待っていたその言葉に、涙が止まらない。
ゾロは頬の手をそのまま後ろに伸ばして
ギュッと力強く抱き寄せた。