First Love
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夕食時のダイニング。
ナミの作戦なのだろう。
ミドリの隣には珍しくサンジが座っている。
そしてその正面にはゾロ。
特に気にも留めず食事をしているが
徐々にサンジが動きだす。
さりげなくミドリの肩に手を回しながら
「今日は食後にミドリちゃんの大好きなプリンを用意してあるからね。」
「あ、そうなの?ありがとう!楽しみだな。」
ミドリの髪に顔を寄せ
「ミドリちゃん、今日もい〜い香りだ…」
「そう?さっきシャワーしたからかな…ていうか、サンジくん、さっきから近い…」
耐えられなくなりサンジの顔を手で押すミドリ。
「そんなことないさ。おれはいつも君の近くにいたいんだ。」
隣にいたナミが
更に顔を近付けるサンジの耳を引っ張る。
「はい、そこまで。」
「あれ?ナミさんジェラシー?」
「(小声で)全然ゾロが見てないから意味ないわ。」
「チッ…あの野郎。もっと気にしやがれ。本当に奪っちまうぞ。」
2人のコソコソ話を聞いてミドリはやっと
全てがナミの作戦であることに気付いた。
チラッとゾロを見る。
確かに何も気に留めず食事をしながら
ウソップやフランキーと楽しそうに話している。
「次の作戦考えるか…」
「ナミさん、おれも協力するぜ。ミドリちゃんのためだ。」
「ありがとう2人とも。でも、もう十分だよ…」
苦笑いしながらふと隣のルフィを見ると
「あれ、ルフィ、ほっぺにごはん付いてるよ。」
「む?」
両手で肉を持つルフィの替わりに
指で取ってあげた。
「ほら、3粒も。」
「おお。悪いな!」
指に付いた3粒のごはんを見せながら言うと
ルフィはいきなり私の指に食い付いた。
「わ!!」
「もったいねェからな!」
「よだれ付いたー!」
「わりィわりィ。」
怒りながらも笑ってふきんで手を拭く。
ルフィも横でししししと笑っていた。
その時
ダンッ——
ダイニングに響いた大きな音。
ゾロが持っていたジョッキをテーブルに
叩きつけるように置いた音だった。
シン…とダイニングが静まり返る。
「ちょ、ちょっとゾロくん急にどうしたんだ?何か怒ってる…?」
ゾロの隣にいたウソップが
震える手でテーブルに溢れたお酒を拭く。
「何でもねぇ。便所だ。」
明らかに不機嫌そうな顔をして立ち上がり
甲板の方へ行ってしまった。
「ちょっとルフィ、あんたやるじゃない!これを待ってたのよ!」
「あ?」
「クソ…おれのテクニックよりこいつの食い意地の方が効いたか…」
「ゾロ怒っちゃったかな?私どうしたら…」
「私に任せて。ミドリは少ししたら甲板に来て。」
そう言い残すと
ナミはゾロを追いかけていった。
「なかなか面白くなってきたぜ。」
「なんなんだ一体…。」
「ゾロお腹痛いのかな?おれ様子見てくるか?」
「ヨホホホ。問題ないですよ。」
「私たちは食事を続けましょう。」