First Love
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少し目を離した隙に
ゾロの姿が見えなくなってしまった。
でもきっと街の酒屋さんへ向かえば
どこかで会えるだろう。
待ってていいって言われたって
荷物持ちくらい手伝わなくちゃ。
それにゾロはすぐ迷子になるから
ちゃんと船まで戻ってくるかもあやしいし…
そんなことを考えながら歩いていると
「お前麦わらの一味だな。」
「誰!?」
目の前に3人の男達が行く手を阻んだ。
「間違いねぇ。一味の女だ。」
「海岸に船が着てると情報が入ったから来てみれば…ビンゴだ。」
「賞金稼ぎ!?」
逃げ出そうとしたけど、すぐに腕を掴まれてしまう。
「麦わらやロロノアあたりじゃ勝ち目はねぇが、お前だけなら楽勝だ。小遣い程度にしかならねぇが。」
「なかなかいい女だ。殺る前に遊んでもらうか。」
「それもいいな。」
2人の男に両腕を掴まれる。
「離してってば!やめて!」
横切る街の人たちは
相手が怖そうな男たちだからか、見て見ぬ振り。
どうしよう…
力が強すぎて、振り解けない。
「そいつから手を離せ。」
その声は頭の後ろから聞こえた。
聞き慣れた低い声。
来てくれた…
安心からか、涙が出そうになる。
「ゾロ…っ」
「ゾロ?ロロノアか!」
「さっさと離せって言ってるだろ。」
私の両腕を掴む男たちの腕を取るゾロ。
「いてぇいてぇ!」
「クソっ。こいつもいるなんて計算外だ。」
「ずらがるぞ。」
ゾロが刀に手をかけた瞬間
男たちは逃げていった。
「ありがとう…」
「何で来た。」
「…え?」
「昨日散歩に出た時、あいつらがうろついてるのが目に入った。だから船で待ってろって言ったんだ。」
「だったら置き去りにしないで一緒にいてくれれば良かったじゃん!何で私のことを避けるの!?」
「!」
堪えきれずに溢れた涙とともに
抱えていた想いが溢れてくる。
「あの日からずっとゾロが避けてるって気付いてるんだからね!私の気持ちが鬱陶しくなったんでしょ!?私がゾロのこと好きだなんて言っちゃったから…っ…私といるのが面倒になったんでしょ!?」
「そんなこと言ってねェだろ。」
「こんなことになるなら告白なんてしなきゃよかった…私もう、ゾロのこと諦める。ゾロのこと…っ…好きでいるのやめる…っ」
「やめんな。」
急に真剣な顔になって私の肩を掴むと
顔を覗き込んで真っ直ぐに見つめてくるゾロ。
「確かにお前を避けてた。気持ちをぶつけてくる女なんてお前が初めてで…情けねェけど、どうしたらいいのかわからねェんだ。距離を置いてる間も、お前のことを考えてた。」
「…え……」
「まだわかんねぇけどもう少しで答えが出そうなんだ。やめるなんて言うな。」
「……ずるいよぉ…」
「何がだ。」
「そんな言い方されちゃったら…期待しちゃって…諦められないじゃん…っ」
「だから諦めるんじゃねぇって言ってんだ。」
本人からそんなふうに言われるなんて
なんだか変なの。
思わず笑ってしまった。
「あ?てめ、何笑ってやがる。」