First Love
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初めは信じられなかった。
目つきが怖くて
自分勝手で
愛想がなくて
鈍感な人。
まさか自分がこんな面倒な男に…なんて
考えたくなかった。
気がつくとそいつのことばかり考えてしまう。
認めたくなかったけど、認めるしかない。
これがきっと私の
はじめての恋。
〜First Love〜
ここは麦わらの一味の船、サウザンド・サニー号。
「メーシだぞ〜!!」
お昼時、船長の叫び声で各々ダイニングへと集まる。
私が着く頃には、ほぼ全員が既に集合していた。
「おせェぞ!ミドリ。
「ごめんごめん。お待たせ。」
「ミドリちゃん悪い。マリモ野郎がまだなんだ。その辺で寝てると思うんだが、呼んできてもらえるか?」
美味しそうな料理を次々とテーブルに並べながら
サンジくんが申し訳なさそうに言った。
「ゾロが?…わかった、呼んでくるね。」
その名前を聞いて一瞬ドキッとする。
ゾロ。
私の好きな人。
ーーーーーー
甲板へ行ってみると、サンジくんの言う通り
いびきをかきながら気持ちよさそうに寝ている。
こいつの寝顔は見慣れてるはずなのに
思わず見惚れてしまう。
「………」
「…なんか用か?」
「わあっ!」
急に目が開いて視線が合ったのでびっくりした。
「ごめんごめん…あの、気持ちよさそうに寝てるな〜と思って。」
気にする様子もなく、ゾロは起き上がって
あくびをしながら腕を伸ばし、ひとつ伸びをした。
「ごはんできたから呼びにきたよ。」
「お、そんな時間か。」
立ち上がり、ダイニングへ向かうゾロの後を追う。
もう少し、寝顔を見ていたかったな、と
密かに思った。
ーーーーーー
「おせェぞ。どんだけ寝てんだ。ミドリちゃんの手を煩わせるな。」
「うっせ。」
ダイニングに着き、空いている席に座ると
自ずとゾロと隣同士になった。
あれ…ダイニングの椅子ってこんなに近かったっけ…
内心ドキドキしてしまうけど
なるべく平然を装いながら食事を楽しむことにした。
「おい、顔にソース付いてんぞ。」
「えっ、うそどこ?」
やだ、ゾロの前で恥ずかしい。
しかもそれを本人に指摘されてしまうなんて。
「ここだ。世話が焼ける。」
ぶっきらぼうに言いながらも
ゾロがそっと頬のソースを素手で拭ってくれた。
一瞬触れただけでも
熱く、ゴツゴツとした男らしい指の感覚が
しっかりと頬に残る。
「ごめん、ありがとう…」
「おう。」
何を気にする様子もなく、お手拭きで手を拭くと
ゾロは再び食事を頬張る。
だめ…私絶対今、顔真っ赤だ。
ゾロの方から顔を逸らすと、反対隣にいたナミが
こちらを見てニヤニヤとしていた。
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