ある日の昼寝から
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2人とも少しの間無言になり
ミドリが鼻をすする音だけが響く。
ハンカチで顔を覆い、視界が真っ暗なミドリは
ルフィがいないのではないかと不安になり
恐る恐る顔を上げた。
そこには、どこか緊張した面持ちで
ゆっくりとこちらに手を伸ばしてくるルフィ。
あの大きな手が、また少し震えていた。
ミドリが身構えると
手のひらが優しく頭に乗せられた。
「ごめんな。おれ間違ってた。」
ぽんぽん、と優しく2回撫でられる。
手の震えはおさまっていた。
真っ直ぐな謝罪に、再び涙を誘われた。
ミドリも正直になろうと思った。
「……おかしいのは、ルフィだけじゃないの。」
恐る恐る話し始めるミドリの頭から手を離して
ルフィは不思議そうな顔をした。
「私も見たの。あの日。ルフィの夢。そのせいか、ルフィといるの…少し緊張するようになった。」
正直に言うのはとても恥ずかしかった。
あの夢の中で感じた
まるで恋人のような2人の空気感とか
ドキドキと心臓がうるさかったこととか
私に触れてくるルフィの手が
意外なほどに優しかったこととか。
全て自分の中に、しまい込んでいたものを
さらけ出してしまったようで。
”あなたを意識してます”って言ってるようで。
「なァんだ、同じか。」
ルフィはいつものように、あっけらかんと笑った。
ミドリの方も釣られて笑顔になる。
「うん、同じ。」
目と目を見つめ合って、笑顔を写し合った。
夢は
無意識の世界の反映だともいう。
夢で会う前から、私たちは
心の奥底で惹かれ合っていたのかもしれない。
ある日の昼寝から、もたらされたもの。
お互いに意識する心。
お互いを求める心。
「触ってもいいのか?ミドリ。触りてェ。」
返事の代わりに、差し出されたルフィの手を掴むと
熱く大きな手の温もりに包まれる。
「嫌だったらすぐ離れるから、ちゃんと言えよ。」
そのまま引き寄せられ
その大きな腕に、全身を優しく包み込まれる。
「うん。でも、嫌じゃないよ。」
ミドリもそっと、ルフィの背中に手を回し
胸に顔を押し付けた。
…fin