ある日の昼寝から
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翌朝。
キッチンで朝食の準備をするサンジを
手伝っていたミドリは
次々と起きてきた仲間たちが集まる
ダイニングテーブルに料理を運んでいた。
「ありがとう、ミドリちゃん。これで全部だ。」
「はーい。」
最後の大皿をテーブルに乗せて
すぐ横に空いていた椅子に座ろうとすると
隣にすでに座っていたルフィが
その座面を勢いよく叩く。
「ここはダメだ!」
「え?」
「ミドリお前、あっち座れ!」
「うん、別にどこでもいいけど…」
なぜダメなのかわからないまま
とりあえず促されるままに、別の席へと座った。
結局最後に支度を終えてやってきたサンジが
ルフィの隣に腰掛ける。
ミドリは何とも言えない気分で食事をした。
どうして私はダメだったの?
私、何かした?
ルフィ、どこか変?
そればかりが気になって、せっかくの朝食も
よく味わうことができていなかった。
ルフィのよくわからない気まぐれだった
ということにして
あまり気にしないよう努めていたが
昼食のときにも、それは起こった。
「天気もいいし、たまには外で食うか。お前ら手伝え!」
サンジの号令で甲板に集まってきた仲間たち。
広げたシートの上にたくさんのサンドイッチや
おにぎり、フライドチキン、果物などが並んだ。
全てが揃ったところで、ルフィの声が響く。
「だから!ミドリはおれの隣に来んな!」
「え、またぁ?」
ルフィの横の空いているスペースに
入ろうとしたミドリは、その声に動きを止めた。
今日のルフィは何なのよ…と、肩を落とす。
「どうした?ルフィ。」
「なんだおめェら、ケンカか?」
あからさまなルフィの態度に
ミドリ以外の仲間たちも疑問を持ち始める。
「そうじゃねェけど、ダメなもんはダメだ!」
「だから何でダメなのかって話だろ。」
やはり気まぐれなどではなく
あからさまに自分だけが避けられているとわかり
ミドリの表情は曇る。
そんなミドリに気付くこともなく
ルフィは追い打ちをかけるように言った。
「とにかくミドリ!もうおれのそばに来るんじゃねェぞ!?」
「だから、何でそんなこと言うのよ。」
「ミドリちゃん、よかったらおれの隣に…」
サンジが自分の隣に招き入れようとするが
そばにいたゾロがミドリの腕を引き
自分の横の隙間に座らせた。
「どこだっていいだろ。腹減ってんだ。さっさと座れ。」
「あ!マリモてめェ!この野郎!!」
「はいはい、もう終わり!ルフィ、ごめんね?もう、そばにいかないから。とりあえず食べよう!いただきまーす!」
皆の空気を悪くしないよう明るく努め
パチンと手を合わせてそう言うと
ミドリはサンドイッチを手に取る。
それを見て周りの仲間たちも渋々食事を始めた。
「あ、そろそろ次の島に着くわよ!たぶん明日には。皆備えておいてね!」
流れを変えるようにナミがそう発言し
クルーたちの話題は次の島へと移っていった。
サンドイッチに噛みつきながら
ミドリはチラリとルフィの方を見る。
チキンを手におにぎりを頬張りながら
もう片手はサンドイッチへ伸ばしていた。
が、視線に気付いたのか、パチっと目が合う。
ミドリは気まずくなり、すぐに逸らしてしまった。
ルフィがわからない。
どうして自分を拒否するのかも
怒っているのかすらもわからない。
話をしたいけど、近寄ることも許されない。
船長に嫌われているクルーなんて
一味に必要あるのだろうか……
このままじゃ自分は、この船から……
悲しすぎる結末を想像して、鼻の奥がツンとなる。
涙が出そうになるのを誤魔化すように
笑顔で仲間たちの会話に参加した。