ある日の昼寝から
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〜ある日の昼寝から〜
「ぐあァァァ〜!!」
盛大なあくびをする声が、サニー号に大きく響いた。
手足を広げて伸びをしたルフィは
大きく開いた口を閉じると
そのまま後ろへ倒れるように芝生甲板へと転がる。
大の字のまま空を眺めた。
「退屈?」
暇を持て余しているルフィに
横を通り過ぎようとしたミドリは
足を止め、その顔を覗き込んだ。
眩しかった陽の光がミドリの頭によって遮られ
その影の下でニッといつもの顔で笑う。
「そうなんだよ。でも気持ちいいぞ。ミドリもやるか?」
「うん、やる。」
ミドリもまた、退屈だった。
日々海軍や他の海賊たちに追われる身。
それに加え、グランドラインの異常気象に
突然現れる奇怪な生物との戦い。
バタバタと騒がしいのが日常だったのだが
ここ数日は何も事件の起こらない日が続いていた。
日常が慌ただしすぎて
この貴重な日々を有り難く過ごすべきなのに
何日も続くとつまらないとさえ思ってしまう。
暇潰しにロビンの本を借りに行こうとしていたが
どうせなら、この暇を潰すのではなく
ルフィのように”何もしない”をしようと思った。
隣にゴロンと寝転び、同じポーズで空を見上げる。
ポカポカのお日様。
ゆっくりと形を変えながら流れる雲。
ふかふかの芝生。
さわさわと体の上を流れる海風。
「ほんと、気持ちいいね。」
隣にそう声をかけたが、返事はなく
見事に独り言となった。
首を起こしてルフィを見る。
大口を開けて気持ちよさそうに眠っていた。
「さっきまで喋ってたのに。」
フフっと笑い、ミドリも目を閉じた。
そうすると、より大きく聞こえる日常の音。
船に寄せる波。
キシキシと張る帆。
仲間たちの生活音。
隣からの寝息。
とても癒される。
ここが危険な海の上だなんて信じられないくらい
気持ちが良くて、安心できる。
ミドリはこうして
しばらくの間”何もしない”を楽しむことにした。
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