愛すべき人 〜幸せになる時〜
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自分の愛する人に、心から愛される。
それは奇跡のようなもの。
でも、その奇跡が現実になったとき
人は本物の幸せを手にするのかも。
愛すべき人 〜幸せになる時〜
暮らしていた家で最低限の荷物をまとめる。
待ってくれていたルフィさんと共に
彼の海賊船へとやってきた。
「こいつミドリ!この島で世話んなったんだ!仲間にした!」
突然こんな何の取り柄もない小娘を連れてきて
仲間の皆さんはどう思うだろう、と
不安しかなかった。
私の不安とは裏腹に
こんな突拍子もないルフィさんの行動にも
皆さんはそこまで驚く様子もなく
意外とすんなりと私は受け入れられた。
「ミドリちゃ〜ん!ようこそ!こんな麗しいレディがまたひとり。嬉しいぜ、おれは。」
「お前、ルフィと会えて良かったな。おれはウソップ、こいつはサンジだ。」
さっき海岸でお世話になった
ウソップさんとサンジさん。
「おれはトニートニー・チョッパー。医者だ。何かあったら言ってくれ。」
得意げにそう自己紹介してくれた
ぬいぐるみのようにふわふわの喋るトナカイ。
そしてその横にいる大きなロボットとガイコツに
私は言葉を失う。
「アウ!仲間が増えた!景気いいな〜うちの船は!」
「では早速。ミドリさん、パンツ見せても——」
「黙れ!エロガイコツ!!変なヤツばっかでごめんね、ミドリ。あたしはナミ。で、こっちはロビン。」
「ここは賑やかだから、後で女部屋でゆっくり話しましょ。」
そしてガイコツを蹴り飛ばした
オレンジの髪をした可愛らしいお姉さんと
その隣に知的な美人。
「あと、あいつはゾロね。」
ナミさんが指さす方を見ると、甲板の隅で
緑髪の男の人が大口開けて眠っていた。
「こいつらがおれの仲間だ。面白ェだろ。」
隣でルフィさんが嬉しそうに笑う。
彼が海賊船の船長だと聞いた時から
たくさんの部下達が船にいるのを想像していたけど
思ったよりも少なく、親しみやすそうな顔ぶれに
安心した。
中には人間なのかよくわからない人もいるけど
彼の仲間だというだけで信頼できる。
「あの、ミドリです。お世話になります。掃除、洗濯何でもやります。不束者ですが、よろしくお願いします。」
「真面目すぎんだろ!嬢ちゃん!」
「ヨホホホ!こちらこそ、よろしくお願いします。」
海賊相手に真面目な挨拶はおかしかったのか
笑われてしまった。
でも皆から向けられるその笑顔に
ここにいていいんだ、と気持ちが暖かくなった。
「よし!宴だな!」
「待ってルフィ!とりあえず出航よ!」
「おうそうか、そうだったな!」
皆はいそいそと持ち場に着き
ルフィさんの号令を合図に、船は海へ出た。
長く暮らした島を初めて出る。
小さくなっていく島を見て胸が熱くなった。
私の新しい人生が始まる。