彼の場合は
お名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「うし!大丈夫か?ミドリ。」
「うん、ありがとう。」
「おう、気にすんな。」
「でもルフィ、ここ人いるけど大丈夫って言ったのに、やっぱり怖い人達だったじゃん!」
「そうか?でも弱ェし、大丈夫だったろ?」
向けられたその笑顔に、何も言えなくなる。
落ちた帽子を被り直すルフィに
私からギュッと抱き付いた。
「好き。」
来てくれたら、素直になろうと決めていたから。
「私、ルフィが好き。」
ルフィは満足気に笑って
私の背中に腕を回して抱き寄せた。
「ほらな、おれの勝ちだ。」
本当にルフィの言っていたとおりになってしまい
自分が恥ずかしいし、悔しいけど
今、正に感じているこの温もりが
私のものになったんだと思うと
それ以上に嬉しくて、愛しくて。
「こうなることはわかってたけどよ、なんかたまんねェな。」
耳元で囁かれる。
たまらないのは、私の方だ。
胸に顔を押し付けて一層強く抱き締めれば
ルフィの腕にも更に力が込められる。
「お、そうだ。」
ふと思い出したようにルフィが差し出してきたのは
色とりどりに咲いた花の束。
「これ…私に?」
「そうだ。ミドリを探してる途中にすげェいっぱい咲いてる場所があってよ。とってたら遅くなった。悪かったな。」
「ううん、嬉しい。ありがとう。」
「おう!」
ちゃんと探しに来てくれていた。
遅くなったのも、私のためだった。
こんなにいつも一緒にいて
どうして今まで平気だったんだろうと思うくらい
今はルフィのことが好き。
悔しいけど
頭の中は、こいつのことでいっぱい。
恋は
”惚れた方の負け“なんて、よく言うけれど
この男の場合は
″惚れられた方の負け“みたいだ。
でも、きっとこれまで以上に
刺激的で楽しい毎日が始まる。
ルフィが惚れたのが、私でよかった。
「ルフィから花なんて、なんか変な感じ。」
「飾ってめでるんだぞ?食うんじゃねェぞ?」
「食わないよ!」
…fin