彼の場合は
お名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
逃げ出しておいて
自分からルフィの元へ戻るのもなんだか癪だし
かと言ってこの森にずっといるのも怖いし
私は先にサニー号へ戻ることにした。
……のだけど
「ここ…さっきも通った気がする……」
海岸へ向かっているつもりが
一向に森から出られる気配がない。
迷子になった?
まさか、ゾロじゃあるまいし…
大丈夫。
もうすぐサニー号のある岸が見えてくるはず。
もしかしたら、ルフィのところに戻るかも。
格好悪いけど、この際それでもいいや。
そう自分に言い聞かせながら歩き続けていると
「オイ、女。」
後ろから急に呼び止められ、振り返れば
様々な武器を腰に付けた大男達が数人
不気味な笑みを浮かべていた。
「こんな森の中をひとりで何してる。」
「あ、あの……散歩です……」
恐怖のあまり頭が回らない。
なんだ散歩か、って見過ごしてくれるような
相手じゃなさそうなのに。
「ここらは俺らの縄張りなんだがな。」
「そうだったんですか。すみません、知らなくて。すぐ出て行きますね。さようなら。」
どうやら山賊のようだ。
見るからに危険な人達。
ルフィの嘘つき。全然大丈夫じゃないじゃん。
足早に立ち去ろうとすれば、すかさず腕を掴まれる。
「待て。」
「は、離してください。」
ルフィ。
「男なら迷わず殺してるところだが、女なら話は別だ。ついてこい。」
ルフィ。早く来て。
「えっと…どちらへ?」
「俺たちの住処が近くにある。」
「そうなんですね。でも私、散歩で忙しいので。」
ルフィ…!!
「少しくらいいいじゃねェか。もてなすぜ。」
「結構です。」
抵抗してもピクリとも動かない腕を引き寄せられ
頬に手を添えられる。
汗ばんだ掌が気持ち悪い。
「来ねェならこの場でヤっちまってもいいんだぞ。」
どちらの意味の「ヤる」ですか?
どちらにしろ嫌です。
そう言いたくても恐怖で声が出せず
固まっていると敵の仲間たちに囲まれる。
「いいですね、頭。」
「久しぶりの女だ。」
「やわらけェ。スベスベだ。」
「やだ!やめて!」
複数の手で、身体中のそこかしこを触られる。
やっぱり汗ばんでいて気持ち悪い。
——と、
「何してんだお前らァァァ!!!」
大きな安心感に包まれる。
やっと来てくれた。
「だ、誰だ!!」
「クソ、連れがいたのか!!」
「変なとこ触ってやがったな!!おれもまだ触ってねェのに!!」
武器を構えるや否や
訳の分からない因縁をつけられながら
山賊達はバタバタとやられていく。
戦う姿は、悔しいけどやっぱり一番格好良くて
見惚れているうちに、あっという間に
全ての山賊をのしてしまった。