彼の場合は
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お昼を食べ終えて満足そうにお腹をさするルフィに
私はずっと気になっていたことを聞いてみた。
「ねぇルフィ。」
「あ?」
「あの…勝負のことだけどさ。」
「なんだ、負けを認める気になったか?」
「そうじゃなくて……もしも、もしもだよ?私がルフィにその…惚れたら、恋人になるってことでしょ?」
「おう、そうか!そうだな!じゃあおれが勝ったらそうしよう!」
想像して、私はどんどん顔が熱くなる。
「恋人同士って何をするか…ルフィわかってるの?」
ルフィは少し考えた後、私のすぐそばに座り直し
「そりゃお前——」
肩に腕を回され、抱き寄せられる。
「やったことねェけど、こういうことだろ。」
硬くて力強い腕の感覚に
一気に体温が上昇するのが自分でもわかった。
何より、顔と顔が触れそうなほど近い。
「そんでよ、こうやってキスすんだろ。」
言いながら頬に手を添えられ、上を向かされて
ルフィの顔が正面から近付いてきたので
私はそれを掌で受け止め、力いっぱい押し返す。
「ちょっ、反則!まだなってないのに、それは反則だよ!」
「なんだ、ダメだったのか。」
「当たり前でしょ!?ルフィの反則負け!!」
「なんでそうなるんだ!そんなルールねェし、負けてねェ!」
「私の勝ち!もう勝負は終わり!」
「うるせェ。おれはまだ諦めてねェぞ!お、なんだよミドリ、顔赤いな。おれに惚れたんだろ!」
「っ…言わない!!」
恥ずかしい。
不意打ちの行動に赤くなった顔を指摘され
頭に血が上った私は、荷物を抱えて立ち上がる。
「どこ行くんだ!?」
「ついてこないで!」
逃げるようにその場を離れた。
全身が熱い。
ルフィに触れられた、肩と頬には
感触がまだ残ってる。
いきなり告白をしてきた日から
あの男は私の心を掻き乱してばかり。
恋って”惚れた方の負け”なんじゃないの?
なんで惚れられた方の私ばかりがこんなに
頭の中いつもあいつのことばかりで
一挙一動に振り回されて、取り乱して
こんなのもう、好きになっちゃってるよ。
ルフィにはペースを乱されてばかりで
なかなか素直になれなかったけど
もしも今、追いかけてきてくれたら
ちゃんと素直になろう。
気持ちを打ち明けて、負けを認めよう。
そう思ってたけど……
「……全然来ないじゃん。」
ついてこないで、って言ったのは私だけどさ
普通心配で追いかけてこない?
まぁルフィに普通を求めるだけ無駄なんだけど。
こんな深い森の中を女ひとりにして。
後でサンジくんに蹴っ飛ばされてしまえばいい。