彼の場合は
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「面白いことになったわね。」
「最近は平穏な日が続いていたから、いい退屈しのぎだわ。」
「他人事だと思って!」
ナミとロビンを恨めしい目で見る。
それにしても困ったことになった。
でも考えてみれば
告白されたのなんて生まれて初めて。
あのルフィが、私を”そういう目”で見ていた。
いつから?
全く気付かなかった。
今になって心臓がドキドキとうるさくなる。
「ちょっと風にあたってくる。」
それを誤魔化すように勢いよく立ち上がり
船首への階段を駆け上がる。
「ミドリったら、動揺してる。」
「赤くなって可愛いじゃない。意外と早く決着がつきそうね。」
ーーーーーーー
勝負といっても具体的に何をするのかわからない。
きっとルフィ自身もわかっていないんだろう。
これまでと変わらない毎日が続いていた。
「ミドリ!そろそろおれに惚れたか!?」
変わったことといえば、ルフィが私の目の前に
現れてはそう聞いてくること。
「……惚れてない。」
私はそう答えるしかなかった。
ただ、告白される前と後で
私の心境の変化があった。
あのルフィが私に恋している。
その事実を知らされた途端、これまでのように
ルフィに接することができなくなってしまった。
話をするのも、目を合わせるのも恥ずかしくて
近くにルフィがいると落ち着かないし
声が聞こえるだけでソワソワしてくる。
食事のときに、たまたま隣に座っただけでも
不思議なことにいつもより近くに感じ
不覚にもドキドキと心臓がうるさくなったりして。
そんな私とは裏腹に、ルフィはこれまでと
全く変わらない態度で、本当に私のこと好きなの?と疑いたくなるほどだ。
こうなってしまった理由が、恋なのかどうかは
私にはまだわからない。
好きと言われたから
意識して止まらないだけなのかもしれない。
前みたいに、楽しい話をして笑いあったり
並んで釣りをしたり、おやつを奪いあったりと
無邪気に過ごしていた日々が恋しい。
ルフィからの告白は素直に嬉しかったけど
もう前のような関係に戻れなくなってしまったと
悲しさが込み上げる。
一緒にいると、ただただ楽しかったのに
ルフィに対してドキドキしてしまうなんて
なんだか自分じゃなくなってしまったみたい。