愛すべき人
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今日は仕事を休んだ。
私は今、海岸に来ている。
ルフィさんの船を探しに。
あれから、ルフィさんがお店に来ることはなくなり
私はまた何もない、つまらない毎日を送っていた。
気付けばルフィさんのことを考えていて
あの笑顔が頭に浮かんで
会いたい気持ちが溢れていた。
我慢できずに、来てしまった。
もしかしたら、すでに仲間達と合流して
もうこの島にはいないかも知れない。
あんな男と付き合っている私に
愛想つかしてしまったのかもしれない。
「あった…きっとこれだ……」
いくつかの港や海岸を回って
海賊だから、目立つ場所には停めていないかも、と
岩場の岬に隠れた場所へと来てみた。
旗に麦わら帽子を被ったドクロマーク。
ルフィさんの船に間違いない。
船首にあしらわれたライオンが
まるで太陽のように輝いて見えて
彼にぴったりな海賊船だと思った。
「…ん?誰だ?あの女。」
「なに!?レディーだと!?」
私の姿を見つけて、船の中から
男の人が2人降りてきた。
ルフィさんの仲間だろうか。
居場所を聞けるかもしれない。
でも、この人たちも海賊。
近付いてくる2人に、私は思わず身構える。
「美しいお嬢さん。
暇ならおれと街でデートでも…♡」
目をハートにしながら顔をニヤつかせる
金髪の男の人と
「お前船番だろーサンジ。
何か用か?ここにはおれ達しかいねェぞ。」
鼻の長い長髪の男の人。
「あ、あの…ルフィさんは?」
「あ?ルフィの知り合いか。」
「もしかして、君がミドリちゃんか?
ルフィの野郎から話は聞いてる。
随分世話になったって。」
「食事をご馳走しただけです。でも良かった。
ルフィさん、会えたんですね。皆さんと。」
「あァ。ずっと迷子だったらしいな。
その間こんな可愛い子の所に行ってたのか。
あの野郎っ…!」
「ルフィなら、今いないぜ?」
「どこに行かれたかわかります?」
「さァなァ。今日出航の予定だったのによ
放っとけねェヤツがいるとか言って
どこかへ行っちまったんだよ。」
「放っとけない人…」
「きっと君のことだ、ミドリちゃん。」
「えっ……」
「探してるんじゃないか?君を。」
ルフィさんが私を探してる?
放っとけないって……
——お前、あいつといて幸せか?
もしかして、まだ私のことを心配してくれてる?
2人に頭を下げて、街へ向かって走り出した。
私を探してくれているなら
レストランに顔を出しているかも。
と、お店のドアに手をかけたところで
後ろから声をかけられた。
「あんたがミドリだな。」
「お。割と上玉じゃねェか。」
知らない2人の男の人だった。
嫌な予感がする。