肌を重ねたなら
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「ミドリ、お前が好きだ。」
私の涙を指で拭いながら
真っ直ぐに視線を合わせて
一番欲しかった言葉をくれた。
「あの時みたいに酔っ払ってるわけじゃねェぞ。ちゃんとおれの本心だ。」
そういえば
ルフィはいつだって本気でぶつかる人だった。
酔っ払っていたからだとか
喜ばせるためにとかじゃなくて
ちゃんと彼の本心だった。
少し考えればわかることだ。
あの夜のことは全部
私へ向けられた、ルフィの愛だった。
「不安なら何回でも言うぞ。」
こんなにも大きな愛で溢れているのに
「おれはミドリが好きだ。」
ルフィを信じ切ることができなかった私は大バカだ。
「他の誰よりも大切で、特別だ。」
もう不安はひとつもない。
ルフィの背中に腕を回して
鍛えられたたくましい胸に顔を押しつけて
私の気持ちを言うだけ。
「私もルフィが大好きだよ。」
「おう。」
嬉しそうに笑ったルフィに
私から顔を近付けてキスをした。
それがルフィのスイッチになってしまったようで
ガッチリとうなじを抑えられて引き寄せられると
深く口付けられる。
ついばむように
時々舌で唇をなぞられ
また吸われて
ルフィが顔の角度を変えるたび
鼻と鼻がぶつかって
それさえもなんだか愛おしくて
私もルフィの首に腕を回して
夢中でそれに応えた。
そういえばあの夜も
はじまりはこんな荒々しいキスだったな、なんて
寝ぼけていたにも関わらず、しっかりと覚えていた自分に恥ずかしくなる。
キスの嵐が止んだかと思えば
おでことおでこをコツンと合わせて
ルフィは何かに堪えているようだった。
「……ミドリ…したい。」
「なっ……」
「もう我慢しなくていいんだろ?」
「ダメ!今はダメ!私見張り中だし。」
「じゃあ終わるまで待ってる。」
今さっきの男の顔からは一転して
いつもの屈託のないルフィの笑顔。
この笑顔に弱い私は、断り切れるわけもなく
そのまま時間まで2人で見張りをすることになった。
こんなに穏やかな気持ちでルフィと過ごす時間は初めてかもしれない。
はじまりは一夜の過ちでも
そこには確かに愛があった。
一回り大きなルフィの手をそっと握ると
優しく握り返してくれる。
ずっとここでこうしていたいと思えるほど
2人きりの展望室は幸せな空間だった。
この後、見張りの交代でやってきたウソップに「何でルフィがここにいるんだ?」と
ツッコまれたのは言うまでもない。
…fin