肌を重ねたなら
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「おいミドリ。お前なんであんな嘘ついたんだよ?」
アクアリウムバーで本を読んでいると
どこからともなくルフィが現れた。
私は周りに誰もいないことを確認して
ルフィに向き直る。
「その、昨日のことは、皆には絶対に知られたくないの!大騒ぎになっちゃうでしょ?」
「そうか…まぁそうだな。わかった。」
「それに昨日はルフィもすごく酔っ払っていたし、私も寝ぼけていたし、なかったことにしよう。」
「なんで?」
「だってやっぱり…おかしいでしょ?その…恋人同士でもないのに……」
言っていて自分で少し悲しくなってきた。
そう、あんなに素敵な夜だったのに
私たちは恋人同士ではないんだ。
「とにかく!私、昨日のことは忘れる!だから、ルフィも忘れて?」
「いやだ。」
「嫌だは、なし。私たちの間には何もなかった。これまで通り、ただの仲間。ね?」
「納得いかねェ。」
膨れっ面をしたルフィはグイッと顔を近づけてきた。
ルフィの前髪が私のおでこに触れて
ふと昨晩のことが頭に蘇る。
私を見つめていたその瞳が
私の顔や体に触れたその唇が
私を抱きしめたたくましい腕が
すぐ目の前にあって
体が熱くなっていくのがわかった。
これ以上そばにいるのはまずい。
本当に忘れられなくなる。
「と、とにかく!この話はもうおしまい!」
私はそのまま逃げるようにアクアリウムバーを後にした。
ーーーーーー
次の島まで、数日の航海が続いていた。
私はその間、食事以外ではなるべくルフィに会わないようにしている。
顔を見てしまうと
どうしてもあの夜のことを思い出してしまうから。
いや…違う。
顔を見なくても
頭の中はいつも、今まで以上にルフィのことでいっぱいだった。
「ようミドリ!何してんだ?遊ぼう!」
「えっ、えっと、サンジ君の手伝いに行くところなんだ!ごめんね。」
忘れようと思えば思うほど
あの夜のことが頭から離れない。
「ミドリ!フランキーがプール出してくれたんだ!一緒に泳ごう!」
「ごめん、今日はやめておく。」
こんなルフィから逃げ隠れするような毎日が辛い。
「おいミドリ。」
「ごめん、眠いから少し寝てくるね。」
こんなことなら
こっそり片想いしているときのほうが楽だった。