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藍色に染めて【灰谷蘭】

1人、クラブで踊り狂う人々をカクテルを片手に眺める





今日はどの男と一夜を過ごそうかなんて考えながら








「おねぇーさん」










語尾にハートが付きそうなほどの調子で後ろから聞き覚えのない男の声がした










そして後ろからするりと細長い腕が私の肩を流れる










後ろを振り返ればそれなりに容姿は整った七三分けの派手な髪色をした男が立っていた




















残念。








顔面は100点満点だが私は何よりも派手髪が嫌いだ














「俺と一緒に飲まない?」














案の定のお誘いに思わずため息が出そうになるがその息をグッとこらえ飲み込み程よくほほえみながら答えた















『ごめんなさい。残念だけど私派手髪は無理なの。まぁ、顔面は百点満点だけどね』














すると彼はしばらくポカーンと口を開けたままにしていると鼻で笑った











「マジ?」











そのまま彼はまるで当たり前かのように私の隣に座るとお酒を片手にまたもや私の肩を掴んだ













「いや〜女に断られるなんて久々だよ」

『え?』

「え?」









彼が隣に座ったのもあり顔がさっきよりも近く彼の顔の良さがより一層と私目に光る








髪は残念だけど









いやいやいや、私断ったよね??



なんのジョーク??












『私、断ったよね?』

「あぁ、ただの冗談でしょ?」

『え?』

「え?」











この人は本当に何を言っているのだろうか






ただのナルシスト??








派手髪にナルシストなんてどこのモデルだよ










「まぁ、いいや」











いや、なにも良くないです。











「おねーさん踊らないの?」

『そんなことより貴方のお誘いは断ったんだからさっさとこの場から立ち去ってちょうだい』








私は彼から目線をそらし手に持ったカクテルに口をつけた









「へぇ〜。まぁ、いいや
気が向いたら話しかけてね
それじゃ」











そういい彼は立ち上がった














そのまま彼は中央のステージの方へ行くと踊り始めた










すると近くに女がくるわくるわ






気づけば男の周りに随分と女がたかっていた













そんな彼を私はボケっと頬杖を付きながら見ていると彼はチラリと私の方を向き視線が交わった










すると彼は微笑んでみせた















私は視線をそらすとまた別の男を探すことにした
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