私の日常
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私の住んでいるここは、リビングとキッチン、お風呂とトイレ、寝室と書斎というシンプルな間取りをしているが、一人で暮らすには広い
マンションの最上階ということもあってか異様にリビングが広いのだ
その広いリビングには大きめのデスクにパソコン類、ソファ、机、シルフィ用のベッドやトイレ、キャットタワーがあるだけ
家具類もモノクロのものが多く、寂しいものに見えてしまう
ここに住もうと思ったのは、リビングの窓が大きくそれなりの高さのあるマンションでもあり、景色が綺麗だったというのが理由だ
今も朝日が綺麗に差し込んでいる
ソファの上にシルフィを降ろし、キッチンへ向かう
コーヒーメーカーにスイッチを入れ、シルフィの朝ごはんの準備をし始めた
『シルフィ!ごはんだよ』
器を持ってリビングに行くと窓際で外を見ていたであろうシルフィが振り向き、足元まで駆け寄ってきた
『はい。どうぞ』
いつもの場所に器を置くと勢いよく食べ始めた
それを少し眺め、和んでいるとコーヒーメーカーから電子音が聞こえてきた
『それじゃあ、行ってくるよ』
真っ黒なライダースーツにこれまた黒のジャケットを着て、玄関の扉に手をかけ、玄関のラグマットに大人しく座っている愛猫に声をかけて家を出た
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今日はイケブクロの、まぁ、簡単に言ってしまうと裏の職業の人間
所謂、ヤクザや暴力団などと呼ばれている人達が依頼してきた”もの”渡しに行くのが今日の仕事だ
”もの”といっても薬とかそういうものではない
私は情報屋をやっている
仕事は主に依頼主から依頼されたターゲット(人物)や企業の情報を調べ上げ、依頼主に売ること
個人的な趣味で情報を漁っているので政府や裏の人間に関する情報も持っている
厳重に管理されている政府などの情報は、ハッキングして得ているものなのでもしバレテしまったら大変なことになるのだけれど......
まぁ、そんなこんなで情報屋をしていると一般人より裏の人間からの依頼が多い
今回も例にもれず、敵対する組の情報を持ってこいとのこと
情報の受け渡しにはメールなどのネットを使用するのが8~7割
稀にこうして資料(紙)にまとめて直接会って取引をする場合もある
愛車(バイク)を走らせ依頼主(組)の取引の指定場所に向かった
場所は、イケブクロの中でもあまり治安が良くない地域だ
指定された場所に着くと、いかにもそういう人間ですと言わんばかりのスーツを着た厳つい40~50代くらいの男が立っていた
男のすぐそばにバイクを止め、ヘルメットを取らずに依頼された”もの”がはいった黒い封筒を鞄から出して渡した
男は無言で受け取り、中身を確認し始めた
「確かに頂きやした。こちら依頼金です」
毎度ながら顔に似合わず丁寧な口調に笑いそうになってしまう
差し出された茶封筒に入った依頼金を数え、ぴったりだったのでそのまま鞄に放り込んだ
『んじゃあ、しっかり頂きました。あ、そうだ!親父さんにまた何かあったらよろしくって伝えといて下さい』
「...わかりやした」
それだけの会話をして、男は早々に去って行った
『......さて、帰るかなぁ』
人気のない空間にバイクのエンジンの音だけが響いた
これが私の仕事、私の日常──