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「ここで抱かせろよ。」

「は?」

「大野さんとお前が一緒に働いているこの部屋で抱かせてくれたら、諦めるよ。」

「・・・いいよ。」


潤くんは俺を困らせるつもりで言ったんだと思う。
だけど、案外簡単に俺が許可したものだから、びっくりした表情で俺を見ている。

潤くんは口にした事は必ず守る人だ。
この部屋で俺を抱けば、本当に諦めようとしてくれるだろう。


「ニノ・・・。」

「何、やんないの?あと30分で大野さん戻ってくるからね。」


両手を広げて呼ぶと、潤くんは泣きそうな顔をして俺を抱きしめた。
俺の首筋に顔を埋めて、何度も何度も俺の名を呟く。

潤くんからは、俺が好きだっていう気持ちが伝わってきて
どうしようもなく切なくて、たまらなかった。


「本当に抱くからな。」


覚悟を決めたように、潤くんはそう言って、俺のベルトを外し始めた。

何回も抱かれた潤くんの手に、俺の身体は容易に反応する。
激しいキスと下半身への刺激が続く。

ふと時計を見ると、もうあと10分で大野さんが戻ってくる時間になっていた。


「ちょ・・潤くん・・待って。」

「何?」

「・・鍵、閉めないと・・大野さんが・・。」


潤くんは俺を抱えて、扉の前まで移動した。

俺は上はスーツだけど、下は裸というとんでもない格好で
今までいた机の陰と違って、遮る物が何もなくて、恥ずかしくなる。

扉の鍵を閉めると、俺に両手を突かせて、潤くんが後ろから押し入ってきた。
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