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「そんなに男前なのに、何が不安なのさ。」

ニノが俺の腕の中で、クスクス笑う。

俺が所属している販売促進部でも、女の子に良く誘われる。
やたらと土産物やプレゼントをもらったりもする。

でも、それが何だって思う。


「・・お前は女からも男からも好かれるから、心配なんだよ。」


そう。俺が好かれるのは女だけ。
だけど、ニノは俺を含め男にも好かれる。

まだ少年のような風貌。

でも、ちゃんと仕事ができて
機転が利いて、適度に冗談も通じて
一旦友達になると、人懐っこくて可愛くて

あ~、あげ始めるとキリがない。


「俺を好きだっていう男は、潤くん位だと思うけど?」


その辺あまり分かっていないニノは、不思議そうに言う。

お前、俺がどれだけ皆を牽制してきたか知らないだろ。
バレると怒られるから、黙ってるけどさ。


「うん。俺が一番ニノの事好きだから、俺だけ見てて?」

「・・また恥ずかしい事言うね。」


俺の言葉に、ニノは照れて顔を赤くした。
その表情がとんでもなく可愛くて、俺は我慢出来なくなった。

そっとニノの首の後ろを支え、顔を近づける。


「・・ん・・っ・・。」


触れるだけのキスから深いキスへ。
そのまま首筋へ舌を這わせる。

拒まれなかった事に安心して、俺は遠慮なくニノを押し倒した。
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