「え。そんなに俺に似てたの?」

「うん。眼鏡外したら、もうソックリ。」

「見たかったなあ。」

「中身は結構違う気がするけどね。」


寝床に帰って
ごろごろしていたコイツに外の様子を聞かせてやる。

目をキラキラさせながら、話の続きをねだってくる様子がたまらなく可愛い。


んー。

多分、俺、この顔に弱いんだな。


思わずキスした部分は伏せといて
最後まで話をすると、コイツがぷくっと頬を膨らませた。


「ってか、さあ。」

「え?何?」

「浮気者。」

「な・・・何で?」


何でキスしたことバレたんだ?


情けないことに声が裏返ってしまった。

コイツは少し赤い顔をして、そっぽを向いている。


えっと。

どうしようかな。


オロオロしていると、ボソリと小さな声が聞こえた。


「・・俺の血を吸えばいいじゃん。」


ふふっ。

何だ、キスしたことじゃないのか。

可愛いやつ。


「だって、お前すぐ貧血になるだろ。」

「・・そうだけどさ。」


不満そうに膨れる頬を両手で押さえて
ジッとその顔を見つめてみる。


人間だったコイツを仲間に引き入れたのはいいけど
なかなか血が馴染まなくて
コイツはいつも貧血気味だ。


うるうると濡れたように光る薄茶色の瞳が困ったように上下したかと思うと
頬がうっすらと朱色に染まってきた。


「舌、出して?」

「・・・。」

「ほら。キスできないよ?」

「・・・エロオヤジめ。」


悪態を吐きながらも、赤い舌先をチラリと出してくれる。

エロイ光景だな。


「もっと。」

「・・・んっ・・・。」


引きずりだすように舌先を吸い
まるでアレを舐めるように、ゆっくりと上下に唇を動かす。

互いの唾液が絡まる音に煽られて
さらに激しく求めあう。


「・・・っあ・・・・ああ・・・。」

「気持ちいい?」

「・・・うん・・・いいっ・・・・。」


俺の腕を掴んでいたコイツの小さな手が、背中に回されると
やっと
少しだけ赦された気持ちになるんだ。






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