番外編-2
「はい。今ですか?・・・えっと、病院です。」
「はい。そうです。」
「・・・雅紀が熱で・・・はい。大丈夫みたいです。えっ。」
潤の話が一段落したところで、後ろから携帯を奪ってやった。
『どうした?』
「和?」
『・・・先生。』
驚いた和の声が少し甘くなって、俺はそれに満足する。
久しぶりに聞いた和の声
電話しても出ないことが多いからな。
まあ、お互い様だから何とも思わないけど
「相葉ちゃんは大丈夫だから、心配するな。」
『うん。ありがとう。』
「お前は大丈夫か?」
『何とかね。』
「そっか。」
電話の向こうから、和の息遣いが聞こえてくる。
近くにいるようで、遠い。
ああ
駄目だ。
和に会いたくて会いたくて、たまんない。
携帯電話を潤に返して
気を落ち着かせるために、残っていたコーヒーを一気に飲み干した。
「先生。すみません。俺、行きますんで、相葉を頼みます。」
「潤。分かってるよな?」
ニヤリと笑ってやると、潤が盛大に溜息を吐いた。
「はいはい。分かってますよ。二代目、連れてくりゃいいんでしょ。」
「そう。」
「ったく、若頭もいるってのに。」
潤はブツブツ文句を言いながら出て行ったけど、きっと和を連れてきてくれるだろう。
相葉ちゃんの治療費として、何を請求しようか。
キスをして
身体中、舐めまわして
素直に俺を求めるまで、じらしてやろうかな。
そんなことばかり考えながら
ただただ和に会えるのを待っていた。
.