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「このまま出していい?」
「・・・馬鹿っ・・・ヤだよっ・・・。」
「後で綺麗にしてやるから。」
「・・・ひぁ・・・や・・・・深いっ・・・。」
ガクガクと腰を震わせながら、和が泣きそうな顔で首を横に振った。
ああ、可愛い。
これ以上、我慢するのは無理だな。
「・・っ・・も・・出すよ?」
そのまま和の身体を揺さぶって、最奥に熱い液体を放出する。
「・・・え・・・あ・・・・やっ・・・んあああああ!!!」
少し遅れて和も達したらしく、俺の腹に熱い滴が飛んできた。
かなり深くイッたんだろう。
中の収縮は少しの間続き
それが治まると、ぐったりと和が倒れ込んできた。
額に光る汗が
目尻に溜まる涙が
愛おしい。
「・・・どれだけ俺が惚れてるか分かってる?」
「・・・何だよ・・・急に・・・。」
照れ隠しに、和の口調がぶっきらぼうになる。
いつも見せる一歩引いた冷静な顔も
残酷な光を潜ませている目も
サラッと嘘をつく口も
好きだけど
この普段は隠している部分が見えた時に、俺は強く惹かれてしまう。
案外、涙もろい所とか
意地っ張りで素直になれない所とか
本当は優しい所とか
「・・・まあ、いっか。見返りを求めてる訳でもないし。」
独り言のように呟いた俺の台詞に、和が眉を顰める。
こんな関係になって
和もまんざらではないんだな、とは思う。
好きでもない奴に抱かれるような事はしないだろうから
ただ、俺は和の気持ちを聞いた事がない。
自分の気持ちも言った事がない。
そう。
タチが悪いのは、そこだ。
俺は和を想っていられれば、それで構わないし
束縛しようとも
同じ想いを求めようとも思わない。
や~・・・・・重いな、俺。
「・・・・・ちょっと、聞こえた?」
ムッとしたような和の声で、思考のループから引き上げられる。
「何?ごめん。聞いてなかった。」
「・・・俺も同じだから。」
「え?何が?」
まるで話の見えない俺に苛立ったように、和が髪を乱暴に掻きむしる。
何だ??
「だ~か~ら~、俺も同じぐらいアンタに惚れてるって言ってんだよ。」
「・・・・・・。」
・・・・・・まいった。
何だ、この可愛い生き物は。
「・・俺を見くびんなよ?」
言葉を失った俺を見て
和が勝ち誇ったように笑った。