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再び静かになった倉庫の中
先生と視線がぶつかり合う。


ずっと
会いたかった。

だけど
巻き込みたくなかった。


溜め込んでいた様々な感情が渦を巻いて
不覚にも、視界が滲む。


コツコツと足音を響かせ、先生が俺に歩み寄ってくる。


「俺、車呼んできます!」


気を利かせたのか。

この雰囲気に耐えられなくなったのか。

潤が倉庫から飛び出て行った。


目の前にしゃがみ込んで、先生が俺の顔に手を伸ばす。


「・・・酷い顔になってるじゃねえか。」


ずいぶん顔を殴られた気がするから、きっと俺の顔は見れたもんじゃないだろう。

傷の具合を確かめるように、先生の指が顔をなぞっていく。

額からこめかみへ
頬から顎へ

ゆっくりと慈しむような動きに、心臓が妙な音を立て始める。


「・・触んなよ。」

「明日はもっと腫れるな。」

「分かってるよ。」


恥ずかしくて、照れくさくて
素っ気ない態度しか取れない俺を先生が笑う。


「くくっ・・・可愛くねえなあ。」

「うるせえ。」

「ま、仕方ねえか。」


先生はボソリと呟いて、俺に唇を合わせてきた。


「・・・っ・・・。」


遠慮なく舌を差し入れられ、咥内を掻き回される。


久しぶりの感触に身体の芯が熱くなったけど
口の中を切っているのか、所々で鋭い痛みを感じる。


「・・・ちょっ・・・痛い・・・。」

「ん?」

「口ん中、切ってるみたい。」


そんな事で止めてもらえると、少しでも思った俺が甘かった。


「舐めた方が治るって。」

「は?・・・んぅっ!」


医者とは思えない台詞を吐いた先生に、再び口を塞がれ
はっきりと意思を持った舌に翻弄される。


「・・・っは・・・・ん・・・・。」


絶妙なタイミングで
先生の舌は、痛む部分を掠めていく。


くそ・・・。

無駄に上手いんだから


こんな状況で感じてる場合じゃないって、頭の片隅では思っているのに
時折感じる痛みが、さらなる快感を生み
身体の中心に熱が集まってくる。


「・・・っ・・・・ふ・・・あ・・・・・。」


もう・・・・駄目だ。

本当、どうにかして欲しい。


執拗に繰り返されるキスにすっかり溺れて思考能力を失った俺は
ここがどこかも忘れて

先生の手を自らの熱に導いた。

  
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