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「そこは、さあ。俺たちが本気だってことを分かってもらうんだよ。」


チンピラはニヤリと笑って、いきなり二代目の顔面を殴りつけた。


「・・・っく・・・。」


縛られているせいでその衝撃をもろに食らった二代目が、後ろに吹っ飛ぶ。


「二代目っ!!」


くそっ・・・

この縄さえなければっ・・・


後ろ手に縛られた両手を動かしてみるけど
ギシギシと食い込むばかりで、外れる気配がない。


その間にも、背後では二代目が痛め付けられているようで
耐えるような吐息と
耳を塞ぎたくなるような鈍い音が聞こえてくる。


身体ごと横に倒して、どうにか力を入れると
何とか後ろを向く事が出来た。


「二代目っ!・・・お前ら、止めろ!!」


ああ
叫ぶ事しか出来ないのが、もどかしい。

守らなきゃいけない人が殴られてるのに
何も出来ないってのは・・・ひどく辛い。


「・・・とりあえず、いいか。」


チンピラが一息付いて、携帯電話を二代目に向けた。

おそらく奴らの本気を示すために使うんだろう。

シャッター音が響く中
しっかりカメラ目線で睨みを効かせてから、二代目は言った。


「殺さねえの?」

「・・・大事な取引道具だからな。」


もう、さ。

傍で見ていても、度量の違いが分かる。

傷だらけになりながらも、二代目が放つ光は迫力満点で
俺までゾクリとしてしまう位だった。


「・・・お前ら、若頭の個人的な逆恨みに付き合わされてるって、分かってる?」

「・・・何の話だよ。」

「組同士の話は、もう終わってんだよ。」


そう
今のご時世で抗争なんかやれば、一発で警察に持ってかれるから

よほどじゃない限り、馬鹿な事はしない。

だから
向こうの組に役立つ情報を流す事で、決着が着いたんだと

そう二代目は言っていた。


「アニキ、本部に確認した方がよくないっすか?」

「馬鹿。そんな戯れ事、信用するなっ!」


三人のチンピラが慌てだした時
表の方から怒声が聞こえた。

 
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