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「何ていうか・・そう、好きな人に対して、不器用だよね。」


珍しく言葉を選びながら、相葉さんは言った。

ちょっと驚いた。
そんな風に俺の事、見てたんだって
当たってるような外れてるような
微妙な感じだけど。

俺は好きな人に不器用っていうか、臆病なんだと思う。

大ちゃんとの関係だって、もっと何か別の形があったハズなのに
終わりがある関係になるのが怖くて
大ちゃんが今まで付き合ってきた人達と同じように
数か月と持たずに別れてしまうのが怖くて

身体だけの関係を続けていく事を選んだ。


「・・・俺、相葉さんに対しては、器用でしょ?」

「え、なんで?」

「俺の好きな人じゃないから。」

「うわっ。ひどい、ニノ。」

「ふはははっ。」


何となくそのまま話を続けたくなくて、相葉さんをからかって誤魔化してしまった。

俺が笑い出したのを見て、ちょっとホッとしたように相葉さんも笑った。


「・・さあ、今日も頑張って働きますか。」

「うん!今日のまかない、何だろうね。」

「早くも飯の心配かよ。」

「それが楽しみなんだから。肉系だと嬉しいなあ。」

「俺は食えれば、何でもいいよ。」


相葉さんとワイワイ言いながら、休憩室を出てフロアに向かう。

ここに来るまでは気分が沈んでたけど
今は笑って話せる位になっている。

それは全て相葉さんのおかげ。

この人の明るさや天真爛漫な所は、見てるだけで俺に元気を与えてくれる。

いつも助けてくれてありがとう。
心配かけてごめん。

恥ずかしくて素直に言えないから
相葉さんに向けて心の中だけで言った。
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