M
大野さんと付き合い始めてから1カ月が経った。
俺がバイトに入っていない日は、大野さんが泊りにくるようになったし
回数をこなして、何とか上手く抱けるようにもなった。
敬語を使わないで話せる位、距離も縮まった。
こんなに順調でいいのかなあ。
そんな事を考えながら教室を出ようとすると、ちょうどニノと一緒になった。
「・・・あ。」
「久しぶり。潤くん。」
ニノが以前と変わらない調子で話しかけてくれたから
そのまま駅まで一緒に行く事になった。
夕暮れ時の街並みを見ながら、並んで歩く。
「大ちゃんと上手くいってるんだね?」
「うん。まあ。」
「たまに、潤くんがいないから飯食わせてって店に来るよ。」
「あ、そうなんだ?」
大野さんが一人でニノのバイト先に行ったっていう話は聞いたことがなくて
俺は急に不安になる。
大野さんを信じていない訳じゃないけど
そんな話を聞くと、つい何かあるんじゃないかって疑ってしまう。
俺の顔を見て、ニノが苦笑した。
「・・・心配しなくても、もう終わったんだから大丈夫だって。」
「・・うん。」
「だいたい潤くんだろ?余計な事、吹き込んだの。」
「あ~・・・うん。」
やっぱり気付かれてたかって思いながら、頷いた。
そう
俺が嫉妬にかられて、大野さんに余計な事を吹き込んだ。
ニノが幸せになれないから、関係を終わらせろなんて
ニノにとっては、あの時が一番幸せだったかもしれないのに
「急に終わりにしようなんて言われて、俺びっくりしたんだからね。」
「そう・・だよな。ごめん。」
「謝んなくていいよ。文句言いたかっただけだから。」
素直に謝った俺に対して、ニノは真面目だなあなんて笑ってた。
あれ?
・・・なんか。
ちょっと立ち直ってる?
大野さんとの関係が終わった直後のニノは、遠目に見ても覇気がなくて
表情も暗くて、ちょっと心配する位だったんだけど
こうやって笑って話せる位には、気持ちが落ち着いたって事なのかな。
「最近、バイト先のうるさい人に言い寄られててさ。」
「へえ。」
「まだ付き合うとかじゃないけど、まあちょっと考えてみてもいいかなって。」
「そっか。」
照れたような表情で話すニノは、何だか可愛かった。
俺のせいで辛い思いをさせてしまったけど
ニノにちゃんとした恋人が出来て、幸せになれるなら
結果的には良かったのかなって、自分勝手に思った。
俺がバイトに入っていない日は、大野さんが泊りにくるようになったし
回数をこなして、何とか上手く抱けるようにもなった。
敬語を使わないで話せる位、距離も縮まった。
こんなに順調でいいのかなあ。
そんな事を考えながら教室を出ようとすると、ちょうどニノと一緒になった。
「・・・あ。」
「久しぶり。潤くん。」
ニノが以前と変わらない調子で話しかけてくれたから
そのまま駅まで一緒に行く事になった。
夕暮れ時の街並みを見ながら、並んで歩く。
「大ちゃんと上手くいってるんだね?」
「うん。まあ。」
「たまに、潤くんがいないから飯食わせてって店に来るよ。」
「あ、そうなんだ?」
大野さんが一人でニノのバイト先に行ったっていう話は聞いたことがなくて
俺は急に不安になる。
大野さんを信じていない訳じゃないけど
そんな話を聞くと、つい何かあるんじゃないかって疑ってしまう。
俺の顔を見て、ニノが苦笑した。
「・・・心配しなくても、もう終わったんだから大丈夫だって。」
「・・うん。」
「だいたい潤くんだろ?余計な事、吹き込んだの。」
「あ~・・・うん。」
やっぱり気付かれてたかって思いながら、頷いた。
そう
俺が嫉妬にかられて、大野さんに余計な事を吹き込んだ。
ニノが幸せになれないから、関係を終わらせろなんて
ニノにとっては、あの時が一番幸せだったかもしれないのに
「急に終わりにしようなんて言われて、俺びっくりしたんだからね。」
「そう・・だよな。ごめん。」
「謝んなくていいよ。文句言いたかっただけだから。」
素直に謝った俺に対して、ニノは真面目だなあなんて笑ってた。
あれ?
・・・なんか。
ちょっと立ち直ってる?
大野さんとの関係が終わった直後のニノは、遠目に見ても覇気がなくて
表情も暗くて、ちょっと心配する位だったんだけど
こうやって笑って話せる位には、気持ちが落ち着いたって事なのかな。
「最近、バイト先のうるさい人に言い寄られててさ。」
「へえ。」
「まだ付き合うとかじゃないけど、まあちょっと考えてみてもいいかなって。」
「そっか。」
照れたような表情で話すニノは、何だか可愛かった。
俺のせいで辛い思いをさせてしまったけど
ニノにちゃんとした恋人が出来て、幸せになれるなら
結果的には良かったのかなって、自分勝手に思った。