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俺の言葉を理解できなかったのか、相葉さんは固まっていた。

相葉さんに好きだって言われて
それは、まあ嬉しかったんだけど

正直、誰でもよかった。

俺は大ちゃんを忘れるためのきっかけが欲しくて
相葉さんに抱かれて
それがきっかけになるなら
それでいいやって思った。

顔を近付けて唇を合わせると、相葉さんは驚いたように目を見開いた。


「・・・んんっ。」


それでも、強引に舌を差し入れると、しっかり応えてきたから
利用してごめんねって
心の中で、相葉さんに謝った。

ソファに俺を組み敷いて、相葉さんがゴクリと喉を鳴らす。

欲情したこの人を見るのは初めてで
意外と男らしい表情に、少し怯んでしまった。

それに気付いたのか
相葉さんは俺を見下ろしてクスッと笑った。


「・・これ以上、何もしないよ?」

「え?」

「あのね、ニノ。セックスは好きな人とするから気持ちいいんだよ?」

「・・・それ、本気で言ってる?」

「うん。」


俺や大ちゃんからするとびっくりするような事を相葉さんは言い出した。

俺は大ちゃんにしか抱かれた事ないけど
節操のないあの人をずっと見てきたから

そんな風に考える人がいるなんて、ちょっと衝撃的だった。


「・・相葉さんって、童貞?」

「ばか。違えよ。」


相葉さんは苦笑して、俺の身体を起こした。

何だ、違うのか。
童貞だったら、百歩譲って納得できたんだけど。


「あ、じゃあ、男を抱くのは初めて?」

「まあ、それは初めてだけど。」

「俺の身体、そそらない?抱きたいとは思えない?」


矢継ぎ早な俺の質問に、相葉さんは困ったように髪を弄った。


「えっと・・十分そそられるし、抱きたいと思うよ?」

「じゃあ、いいじゃん。」

「・・だから、俺は俺の事を好きなニノを抱きたいんだって!」


相葉さんは俺の両肩を押さえ、大きな声で言った。
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