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生き残り

『な…
なんで…っ…!
世界政府は…』
「わかってる!!」
『!』

非難するようなララの言葉を遮り、ルイは声を荒げた。

驚いた彼女は身体をびくつかせて、戸惑いがちに彼を疑視する。

「あいつらが俺たち一族を滅ぼしたって言いたいんだろ。そんなのはわかってる」
『じゃあ、どうして…』
「ララは許せるか?
あいつ等を」
『……それは…』
「俺は許せねぇ。
だからあいつらの懐に入って犯人を見つけ出す」

ルイの瞳は決意に満ちた目をしていた。

復讐。

その言葉がララの脳裏に浮かんだ。

『………』
「ララは俺に関わるな」
『…っ…
…どうして?
せっかく会えたのに』
「曲がりなりにも海賊だろ。関わらねぇほうがいい」
『……でも…』
「…もし……」
『?』
「もし俺の邪魔をするようなら、ララでも容赦しない」
『…っ…』

それは忠告だった。

ルイの表情はララに敵意を向けたような鋭い表情。

昔の面影などどこにもない。

彼女はその気迫に息をのむことしか出来なかった。

去っていくその背中を見送ることしか。


—————
—————

『………
……(わたし…どうしたら…)』

ルイが去った後もララはその場を動けずにいた。

身体を縮こませて湖の水面をぼんやり、と眺めている。

船には戻る気には慣れなかった。

あまり長い時間留まると、心配したマルコが迎えに来るだろう。

そんなことは彼女もわかりきっている筈だ。

だが、ララはその場を動こうとしない。

今の沈んだ状態のまま船に戻れば、心配をかけるのは目に見えていた。

優しい彼女のことだ。

余計な心配を家族にかけたくないのだろう。

「ララ」

昼を過ぎ、待てど待てどもララはモビーに戻ってこない。

痺れを切らしたマルコが様子を見に湖へ足を運んだ。

そこに男はおらず、身を縮こませた彼女がいるだけだった。

瞬時に彼は何かあったのだ、と理解する。

『…マル…コ…』
「いつまでいる気だよぃ」
『ご、ごめん…』
「しけた面してどうした?
昔馴染みと喧嘩かぃ」
『………
ルイ兄が…』
「ん?」
『世界政府に復讐するって…
……っ…邪魔するなって…』
「待て待て
話が急すぎるよぃ。順を追って話せ」

まだ頭が混乱しているのだろう。

ララは自分の心情をそのまま口にした。

マルコが理解出来る筈もない。

『あ…
ごめん…』
「ったく…
ちゃんと話聞いてやるから落ち着けよぃ」
『うん』
「………場所移すか」
『え?』
「ここじゃゆっくり話せねェだろぃ。モビー…いや、宿に戻るか」

マルコはモビーと言いかけて、昨夜泊まった宿に戻ると言った。

騒がしい船より宿のほうが落ち着いてゆっくり話せるからだろう。

それに今のララを目にすれば、心配して騒ぎ立てる者が何人かいるはずだ。

無邪気で優しい彼女を気にかける者は何人もいる。


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