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生き残り

「馬鹿。意味、わかってねェだろぃ」
『あだっ…!』
「…ったく。
起きろぃ。朝メシ食い行くぞ」
『あ、うん』

マルコはベッドから抜け出し、その場でバスローブを脱いで服に着替えいく。

ララはその姿を上体を起こして、ぼんやりと眺めた。

恥ずかしそうに頬を赤らめたりする様子もなく、平然とした表情で。

まだ寝ぼけているのだろう。

「そんなに俺の裸が珍しいかぃ?」
『へ?』
「早く着替えねェと襲うよぃ」
『!
き…着替えてくる!!』

襲うぞ、という言葉に反応してララはパタパタとバスルームに消えていった。

マルコは寝癖のある銀髪を靡かせながら去っていくその背中を喉を鳴らして見送る。

あからさまに意識した態度は揶揄いたくなるのだろう。


—————
—————

「出れるかぃ?」
『あ、うん』
「行くよぃ」

身支度を整えた二人はそそくさと宿を出ていく。

時刻は朝の八時。
 
まだ人が活動するには早い時間だ。

開いてる店も少ないが、カフェは開店している。

二人はそこでモーニングを注文して朝のひと時を楽しむことにした。

『…いい天気』
「そりゃ春島だからねぃ。
この後お前ェは予定があるんだっけか?」
『え…ああ、うん。
予定っていうか、昨日連れてってくれた湖に行きたいだけだけど…』
「気に入ったみてェだねぃ。連れてった甲斐があるよぃ」
『マルコも一緒に行くでしょ?』
「ああ、付き合うよぃ。お前ェを一人にするわけにはいかねェからな」
『…過保護』
「うるせェよぃ。さっさと食え」

ララに対して過保護だというのはマルコ本人も自覚があるらしい。

指摘されたからと言ってそれをやめる気は恐らくないだろう。

彼はそんな素直な性格はしていない。

「あれ…
マルコ隊長…?」

二人で仲睦まじく朝食をとっていると、聞き慣れた声に声をかけられた。

言わずもがな、レティだった。

相変わらずララには眼中にないよう。

「……お前ェかぃ」
『レティ、一人?』
「いえ、リリィさんと…」

恐らくレティも朝食を食べに来たのだろう。

こんな朝早くから開いてる店はそんな多くない。

遭遇するのは珍しいことではなかった。

ただ一人、というのが意外だったのだろう。

ララは彼女に尋ねた。

「あら、マルコ隊長とララ。
いたんですね」
『あ、リリィ』
「あの私達もご一緒して…」
「あ?」
「やめときなさい」
「え…」
「マルコ隊長は邪魔されたくないみたいよ」
「そういうこった。邪魔すんなよぃ」
「行きましょ、レティ」

図々しくも一緒に食事をとろうとするレティにマルコは当然、不快感を前面に表情にだした。

それはもう、あからさまに。

睨みはしないが、眉間に皺を寄せている。

彼の気持ちを察したリリィが即座にそれを止めた。

そして二人の元へ去っていく。


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