導きの舞
『あ!
シャル!』
モビー•ディック号の上空にシャルの姿が小さく見えた。
ララが指をさし、声を上げる。
マルコや甲板にいた強面の男達も視線をそちらに向けた。
大きな翼を生やした巨大なネコのような生物。
皆、目を見開いて驚いている。
白ひげ以外は。
「「………」」
シャルと白ひげの視線が絡み合う。
お互い懐かしむような眼差しを向けていた。
マルコはそれにすぐ気づいたが、何も言わずにただ黙っている。
何か事情があるのだろう、と察して。
『シャルー!!』
「ララ。
何用だ。呼び出して」
『あのね…おじちゃんのおともだちが、いっしょに島にいきたいんだって!
だから…のせてあげて』
「……わかった」
渋々ながらシャルは頷く。
ララはマルコの背中にまたよじ登り、一番隊のクルー数名はシャルの背に乗った。
恐る恐る、恐怖心を抱きながらも。
アーテリア島へと空を駆けて戻る。
ララに集落の惨状を見せないよう、マルコは気を遣いながら。
—————
—————
アーテリア島に戻ったララは集落ではなく、祠に下された。
シャルは一番隊のクルー達を集落に降ろし、ララのいる祠へと向かう。
彼女に辛い現実を突きつけるために。
賢いララのことだ。
気づいているかもしれないが。
「ララ、少しいいか。
話がある」
『え……うん?』
「………。
俺は村の方に行ってるよぃ」
シャルは真剣な声色でララに言った。
彼女はぱちくり、と目を見開く。
その場にいたマルコは気を遣って祠を出て行った。
残されたのはララとシャルだけ。
『シャル、なぁに?
はなしって…』
「………。
もう気づいてるかもしれんが、この島にはもうララしか生きておらん」
『うん…』
「襲ったのは政府だ。一族はお前を守って死んだ」
『わたし…を…?
わたしの…せい……?』
シャルはララに残酷な現実を突きつけた。
幼い彼女にはあまりにも惨すぎる。
だが、いずれはバレてしまう。
今話した方が得策だと判断したよう。
「ララ、そうじゃない。悪いのは政府だ。
お前は何一つ悪くない。護りきれなかった俺にも責任はある」
『そんなこと……』
ララの瞳には涙が溜まっていた。
今にも溢れ落ちそうなほどに。
責任を感じているのだろう。
自分のせいで一族が滅んだ、と。
わかっていたことだが、シャルは自分の放った言葉で彼女が傷ついていることに表情を歪めた。
だが、これは乗り越えなければいけない。
幼いララに課せられた試練でもある。
生きるための。
「………。
お前のその腕の紋章…」
『え……?』
「神子の証だと言っただろう?」
『みこ…』
「風神の神子と言ってな、一族を護る使命があった」
『………でもみんなは…』
「ああ、そうだ。もうお前一人しかいない。
だから好きなように生きていい」
『………』
ララは黙ったままだった。
好きように生きていいと言われても、彼女にはどうしたらよいのかわからないのだろう。
幼いララにはその判断力はまだ備わっていない。
シャルもすぐどうこうしろ、などとは毛頭思っていないのだろうが。
.
シャル!』
モビー•ディック号の上空にシャルの姿が小さく見えた。
ララが指をさし、声を上げる。
マルコや甲板にいた強面の男達も視線をそちらに向けた。
大きな翼を生やした巨大なネコのような生物。
皆、目を見開いて驚いている。
白ひげ以外は。
「「………」」
シャルと白ひげの視線が絡み合う。
お互い懐かしむような眼差しを向けていた。
マルコはそれにすぐ気づいたが、何も言わずにただ黙っている。
何か事情があるのだろう、と察して。
『シャルー!!』
「ララ。
何用だ。呼び出して」
『あのね…おじちゃんのおともだちが、いっしょに島にいきたいんだって!
だから…のせてあげて』
「……わかった」
渋々ながらシャルは頷く。
ララはマルコの背中にまたよじ登り、一番隊のクルー数名はシャルの背に乗った。
恐る恐る、恐怖心を抱きながらも。
アーテリア島へと空を駆けて戻る。
ララに集落の惨状を見せないよう、マルコは気を遣いながら。
—————
—————
アーテリア島に戻ったララは集落ではなく、祠に下された。
シャルは一番隊のクルー達を集落に降ろし、ララのいる祠へと向かう。
彼女に辛い現実を突きつけるために。
賢いララのことだ。
気づいているかもしれないが。
「ララ、少しいいか。
話がある」
『え……うん?』
「………。
俺は村の方に行ってるよぃ」
シャルは真剣な声色でララに言った。
彼女はぱちくり、と目を見開く。
その場にいたマルコは気を遣って祠を出て行った。
残されたのはララとシャルだけ。
『シャル、なぁに?
はなしって…』
「………。
もう気づいてるかもしれんが、この島にはもうララしか生きておらん」
『うん…』
「襲ったのは政府だ。一族はお前を守って死んだ」
『わたし…を…?
わたしの…せい……?』
シャルはララに残酷な現実を突きつけた。
幼い彼女にはあまりにも惨すぎる。
だが、いずれはバレてしまう。
今話した方が得策だと判断したよう。
「ララ、そうじゃない。悪いのは政府だ。
お前は何一つ悪くない。護りきれなかった俺にも責任はある」
『そんなこと……』
ララの瞳には涙が溜まっていた。
今にも溢れ落ちそうなほどに。
責任を感じているのだろう。
自分のせいで一族が滅んだ、と。
わかっていたことだが、シャルは自分の放った言葉で彼女が傷ついていることに表情を歪めた。
だが、これは乗り越えなければいけない。
幼いララに課せられた試練でもある。
生きるための。
「………。
お前のその腕の紋章…」
『え……?』
「神子の証だと言っただろう?」
『みこ…』
「風神の神子と言ってな、一族を護る使命があった」
『………でもみんなは…』
「ああ、そうだ。もうお前一人しかいない。
だから好きなように生きていい」
『………』
ララは黙ったままだった。
好きように生きていいと言われても、彼女にはどうしたらよいのかわからないのだろう。
幼いララにはその判断力はまだ備わっていない。
シャルもすぐどうこうしろ、などとは毛頭思っていないのだろうが。
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