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生き残り

『…ん…
…っ…まぶし…』

翌朝。

ララはカーテンの隙間から差し込む朝日の眩しさで目を覚ました。

見慣れない部屋の景色に一瞬、面食らうがすぐに状況を理解する。

昨夜は船ではなく、マルコと一緒にホテルに宿泊したのだと。

「起きたかぃ」
『……ん…
おはよ…』
「よく寝れたみてェだねぃ」

眠たい目を擦りながらララの視界に広がったのはバスローブ姿の妙に色っぽさのあるマルコの姿。

彼女はまだ覚醒してない頭でぼんやり、と彼を見上げる。

マルコはベッドに横になりながらも、片肘をついて優しげな眼差しでララを見つめていた。

恐らく、彼女の寝顔をずっと眺めていたのだろう。

「ところで…」
『ん?』
「それはいつ入れたんだよぃ」
『?
それ?』

マルコが強い眼差しを送るそれ。

バスローブで少し胸元がはだけた彼女の豊満な谷間。

決して下心があって視線を送っているわけではない。

彼女の胸元に刻印された刺青に用があるよう。

彼の胸元と同様、白ひげの海賊旗のマークがララの白い肌に刻印されていた。

今まで気づかれなかったのは彼女が露出の高い服を着てこなかったからだろう。

『げ』
「いつからだよぃ」
『………』
「ララ」
『……
… 十五の時に…』
「まさかとは思うが、男にやらせてねェだろうなァ?」
『え、女の人だったけど…?』
「………
ならいい」

マルコは少し機嫌を悪くしていたが、ララの言葉を聞くと表情を和らげた。

彼女に刺青があるのに機嫌を悪くしたのではなく、単純な嫉妬心から来ていたよう。

ララの胸元の刺青を施術した人間が女性であれば文句はないらしい。

『……怒んないの?』
「?
なにがだよぃ?」
『だって内緒で…』
「……別に駄目なんて言ってねェだろぃ」
『言ったよ』
「あ?」
『十歳の誕生日にお願いしたら駄目だって…』
「それはお前ェがガキ過ぎたからだろぃ」

確かにララがまだ幼い頃、一度刺青を入れたい、とマルコは懇願されたことがある。

まだ幼かった為、彼は駄目だと彼女の願いを許可しなかった。

だからだろう。

ララがマルコに内緒で刺青を入れたのは。

どうせ許してくれない、と。

『なんだ…』
「だからそんな場所に入れたのかぃ」
『うん。ここならバレないかなって』
「おかげで今日まで気付かなかったよぃ」
『えへへ…』
「ったく…」

悪戯っ子のような笑みを浮かべるララにマルコはため息まじりに呆れるしかなかった。

そして再度彼女のその刺青に視線を送る。

個人的な意見を言えば複雑な気分なのだろう。

白ひげの刺青を入れていたことには素直に嬉しい筈だ。

だが、ララを想う一人の男としては素直に喜べない。

綺麗な肌に傷がついてしまったな、と。

「俺以外に見せるなよぃ、これ」
『え、うん…?
水着着たりしなきゃ見えないと思うけど…』

マルコの言葉の意味を全く理解してないララ。

安易に他の男にふらつくな、と言ったつもりだったのだが。

なんとも彼女らしい。

きょとん、と首を傾げるララはまだまだ大人になりきれていないよう。


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