レイク島
『パパの部屋より広い…』
それはそうだろう。
いくら大海賊の船長の部屋とはいえ、陸上のホテルのスイートルームに敵うはずもない。
船での生活が多いララにとって船長室より広い部屋など知らないのだろう。
ましてやスイートルームなど泊まる機会もなかった。
目にするもの全てが彼女にとっては目新しい。
『……変な感じ』
ララは誰も話し相手のいないこの空間に違和感を覚えた。
いつもなら誰かしら、シャルなりマルコなりが相手してくれる。
だが、今は誰もいない。
マルコはバスルームへ。
シャルは毎度のごとく、船番だ。
こんなにも静かな夜を過ごすのは初めてのことなのかもしれない。
「戻ったよぃ。
……なにしてんだ?天井なんて見て」
『あ。
お帰り。なんでもない』
数分してマルコはバスルームから戻ってきた。
ララ同様、バスローブに身を包んでいるが、胸がはだけていて妙に色っぽさある。
その姿は街ゆく女達ならば、胸をときめかせるだろう。
だがあいにく、彼女にとってこの姿は日常茶飯事。
平然とした顔をしている。
「酒でも呑むかぃ?」
『のむ!』
酒という言葉に反応してララはガバっと上半身を起こした。
なんとも感情に素直な子だ。
マルコは笑みを溢しながらバーカウンターの中に入り、グラスに酒を注ぐ。
カランカラン、と氷とグラスがぶつかり合う音が鳴り響く。
『静かだね』
「そりゃ、二人だからねぃ」
『なんか変な感じ』
「嫌かぃ?俺と二人は」
『ううん。でも…』
「ん?」
『なんか緊張する…』
「馬鹿だねぃ。いつもと変わらねェだろ」
『そうだけど…』
「いつも通りにしてりゃいんだよぃ。
ほら呑め」
『…ん…
ありがと』
ララはバーカウンターに設置された椅子に座って、差し出されたグラスを手に取る。
渋い色をしたウイスキーが注がれていた。
『マルコは…』
「ん?」
『こういう部屋、何回か泊まったことあるの?
女の人と』
「いや、ここまで広い部屋はねェよぃ。
ララとが初めてだ」
『そう…なんだ…?』
ララは意外そうに目をぱちくり、とさせてマルコを疑視する。
経験豊富な彼はもちろん、女性と一夜を過ごしたことは何度もある筈だ。
だが、ここまで豪勢な宿を一人の女の為に用意したことは一度もなかった。
そこまでの手間を惜しまない程の女にマルコは出会って来なかったのだろう。
「安心したかぃ?」
『え?』
「俺が他の女にも同じことしてねェのか気になったんだろぃ?」
『……だってマルコ、慣れてるみたいだから』
「そりゃ、不慣れな格好は見せれねェよぃ。
俺にも見栄ってもんがあるからな」
『見栄…?』
「男ってのはそういう生きもんだ。特に惚れた女の前だとねぃ」
『ふーん…?』
ララはよくわかっていないようだが、マルコの言葉に取り敢えず頷いた。
プライドの高い彼が格好つかない姿を彼女に見せるはずがない。
長年連れ添っていればすぐに理解できそうだが、ララは人の感情にとことん鈍い子だった。
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それはそうだろう。
いくら大海賊の船長の部屋とはいえ、陸上のホテルのスイートルームに敵うはずもない。
船での生活が多いララにとって船長室より広い部屋など知らないのだろう。
ましてやスイートルームなど泊まる機会もなかった。
目にするもの全てが彼女にとっては目新しい。
『……変な感じ』
ララは誰も話し相手のいないこの空間に違和感を覚えた。
いつもなら誰かしら、シャルなりマルコなりが相手してくれる。
だが、今は誰もいない。
マルコはバスルームへ。
シャルは毎度のごとく、船番だ。
こんなにも静かな夜を過ごすのは初めてのことなのかもしれない。
「戻ったよぃ。
……なにしてんだ?天井なんて見て」
『あ。
お帰り。なんでもない』
数分してマルコはバスルームから戻ってきた。
ララ同様、バスローブに身を包んでいるが、胸がはだけていて妙に色っぽさある。
その姿は街ゆく女達ならば、胸をときめかせるだろう。
だがあいにく、彼女にとってこの姿は日常茶飯事。
平然とした顔をしている。
「酒でも呑むかぃ?」
『のむ!』
酒という言葉に反応してララはガバっと上半身を起こした。
なんとも感情に素直な子だ。
マルコは笑みを溢しながらバーカウンターの中に入り、グラスに酒を注ぐ。
カランカラン、と氷とグラスがぶつかり合う音が鳴り響く。
『静かだね』
「そりゃ、二人だからねぃ」
『なんか変な感じ』
「嫌かぃ?俺と二人は」
『ううん。でも…』
「ん?」
『なんか緊張する…』
「馬鹿だねぃ。いつもと変わらねェだろ」
『そうだけど…』
「いつも通りにしてりゃいんだよぃ。
ほら呑め」
『…ん…
ありがと』
ララはバーカウンターに設置された椅子に座って、差し出されたグラスを手に取る。
渋い色をしたウイスキーが注がれていた。
『マルコは…』
「ん?」
『こういう部屋、何回か泊まったことあるの?
女の人と』
「いや、ここまで広い部屋はねェよぃ。
ララとが初めてだ」
『そう…なんだ…?』
ララは意外そうに目をぱちくり、とさせてマルコを疑視する。
経験豊富な彼はもちろん、女性と一夜を過ごしたことは何度もある筈だ。
だが、ここまで豪勢な宿を一人の女の為に用意したことは一度もなかった。
そこまでの手間を惜しまない程の女にマルコは出会って来なかったのだろう。
「安心したかぃ?」
『え?』
「俺が他の女にも同じことしてねェのか気になったんだろぃ?」
『……だってマルコ、慣れてるみたいだから』
「そりゃ、不慣れな格好は見せれねェよぃ。
俺にも見栄ってもんがあるからな」
『見栄…?』
「男ってのはそういう生きもんだ。特に惚れた女の前だとねぃ」
『ふーん…?』
ララはよくわかっていないようだが、マルコの言葉に取り敢えず頷いた。
プライドの高い彼が格好つかない姿を彼女に見せるはずがない。
長年連れ添っていればすぐに理解できそうだが、ララは人の感情にとことん鈍い子だった。
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