レイク島
『きれい…』
「絶景だねぃ…」
二人は一目散に窓際へ寄った。
煌びやかな下界の景色を言葉を交わさずに眺める。
『なんで今日…』
「ん?」
『こんなよくしてくれるの?』
ララは後ろに立つマルコを見上げて尋ねた。
こんなにもいたせり尽せりに甘やかされたのは初めてなのだろう。
戸惑っているようだ。
「仕事にかまけて構ってやれなかっただろぃ。
その詫びだ」
確かに二人が恋人同士になってからもマルコは仕事に追われていた。
特に何処かへ連れて行くようなこともしていない。
ただ毎日数時間、二人の時間を作っただけ。
それは今までとなんら変わりない日常だ。
彼はそのことを気にしていた。
恋人らしいことをしてやれていない、と。
『?
いつも夜、構ってくれてるよ?』
「……ばか。
意味が違ェよぃ」
『?』
どうやらララの構うはただ一緒にいることを意味しているらしい。
マルコの構うと少しズレているようだ。
彼女らしい。
思わず彼は笑みを溢した。
「疲れたろぃ。
先、風呂入ってこい」
『!
う、うん…』
一瞬で表情が強張るララ。
何を想像しているのか、瞬時にマルコは理解した。
「期待してるとこ悪ぃが…
なんもしねェよぃ」
『なっ…!
期待なんか…っ…!』
「お前ェがこういう事に無知なのはわかってんだよぃ。
リリィに何吹き込まれたか知らねェが、変な気ぃ回すな」
『なんで…』
「お前ェのその反応見ればわかるよぃ。
わかりやすいからねェ」
『む…』
長年連れ添ってきたマルコにはララの反応は手に取るようにわかる。
ただでさえ、彼女は表情に出やすい。
彼でなくとも白ひげのクルー達ならば誰でもわかるかもしれないが。
「わかったらさっさっと入ってこいよぃ」
『あ、うん…!
……あの』
「ん?」
『わたし…マルコだったら嫌じゃないよ…?』
「は?」
『お、お風呂入ってくる…っ…!』
ララは去り際、俯きがちに顔を赤らめてマルコにそう言った。
彼からすればそれは殺し文句だ。
惚れた女にそんな事を言われ、手を出さない男はいないだろう。
だが、相手は純粋無垢なララだ。
躊躇われる。
「………。
弱ったよぃ…」
マルコは頭を抱えてララがバスルームに消えたそのただっ広い部屋で葛藤した。
本人はなんの意図もなく、ただ素直な気持ちを言っただけなのだろう。
この後どうなりたいとか、考えていない。
相手がララじゃなければ、こんなに彼が悩むこともなかっただろう。
蝶よ花よと幼い頃から大事に育ててきた彼女だからこそ、純真なその身体に手を出すことに躊躇いがあるのかもしれない。
マルコは自分がこんなにも女々しい男だとは思わなかった。
ララの事となると臆病者になる。
彼は今日、それを初めて理解した。
.
「絶景だねぃ…」
二人は一目散に窓際へ寄った。
煌びやかな下界の景色を言葉を交わさずに眺める。
『なんで今日…』
「ん?」
『こんなよくしてくれるの?』
ララは後ろに立つマルコを見上げて尋ねた。
こんなにもいたせり尽せりに甘やかされたのは初めてなのだろう。
戸惑っているようだ。
「仕事にかまけて構ってやれなかっただろぃ。
その詫びだ」
確かに二人が恋人同士になってからもマルコは仕事に追われていた。
特に何処かへ連れて行くようなこともしていない。
ただ毎日数時間、二人の時間を作っただけ。
それは今までとなんら変わりない日常だ。
彼はそのことを気にしていた。
恋人らしいことをしてやれていない、と。
『?
いつも夜、構ってくれてるよ?』
「……ばか。
意味が違ェよぃ」
『?』
どうやらララの構うはただ一緒にいることを意味しているらしい。
マルコの構うと少しズレているようだ。
彼女らしい。
思わず彼は笑みを溢した。
「疲れたろぃ。
先、風呂入ってこい」
『!
う、うん…』
一瞬で表情が強張るララ。
何を想像しているのか、瞬時にマルコは理解した。
「期待してるとこ悪ぃが…
なんもしねェよぃ」
『なっ…!
期待なんか…っ…!』
「お前ェがこういう事に無知なのはわかってんだよぃ。
リリィに何吹き込まれたか知らねェが、変な気ぃ回すな」
『なんで…』
「お前ェのその反応見ればわかるよぃ。
わかりやすいからねェ」
『む…』
長年連れ添ってきたマルコにはララの反応は手に取るようにわかる。
ただでさえ、彼女は表情に出やすい。
彼でなくとも白ひげのクルー達ならば誰でもわかるかもしれないが。
「わかったらさっさっと入ってこいよぃ」
『あ、うん…!
……あの』
「ん?」
『わたし…マルコだったら嫌じゃないよ…?』
「は?」
『お、お風呂入ってくる…っ…!』
ララは去り際、俯きがちに顔を赤らめてマルコにそう言った。
彼からすればそれは殺し文句だ。
惚れた女にそんな事を言われ、手を出さない男はいないだろう。
だが、相手は純粋無垢なララだ。
躊躇われる。
「………。
弱ったよぃ…」
マルコは頭を抱えてララがバスルームに消えたそのただっ広い部屋で葛藤した。
本人はなんの意図もなく、ただ素直な気持ちを言っただけなのだろう。
この後どうなりたいとか、考えていない。
相手がララじゃなければ、こんなに彼が悩むこともなかっただろう。
蝶よ花よと幼い頃から大事に育ててきた彼女だからこそ、純真なその身体に手を出すことに躊躇いがあるのかもしれない。
マルコは自分がこんなにも女々しい男だとは思わなかった。
ララの事となると臆病者になる。
彼は今日、それを初めて理解した。
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