導きの舞
『あ!
くじらさん!』
「あれがオヤジの船だよぃ」
『おっきいー!』
ララはモビー•ディック号の存在にすぐ気づいた。
キラキラ瞳を輝かせ、指をさす。
二人は船へと急いだ。
マルコの空を翔けるスピードが少し早まった気がする。
—————
—————
「オヤジ、帰ったよぃ」
「グララララ、なんだァ?マルコ。ガキなんか連れてェ」
船に降り立ったマルコは背中にしがみついたララを一旦、甲板の上に降ろしてこの船の船長であるエドワード•ニューゲートの前に立った。
酒瓶を手に彼専用の大きな椅子に座っている。
マルコの服の裾を彼女はギュッと掴み、白ひげのその大きな身体に驚いてぽかん、と口を間抜けな表情で開けていた。
(…おっきい…)
マルコは今まで起きた彼の知る限りの事柄をこと細やかに、目の前の白ひげへ説明する。
その間、口を出さず静かに彼は話を聞いていた。
ララも大人しくしている。
「マルコ、そりゃステリア族だろう」
「?
ステリア族?」
「俺もよくは知らねェが…生まれつき風の力を操れる一族らしい」
「ほぉ…」
「そのガキ、クレアの娘だな」
『!』
「?
クレア?」
クレア。
その名にララは反応した。
マルコの身体の後ろに身を隠していた彼女だったが、ひょこっと顔だけ覗かせて白ひげを見る。
「………」
「で?
どうするよぃ、オヤジ」
「弔ってやれ」
「…了解。
一番隊の奴等適当に連れてくよぃ」
「好きにしろ」
マルコの問いに白ひげは答えなかった。
ただ亡くなった一族の弔いをしろ、と指示を出すだけで。
クレアという名はララの母親の名だった。
彼女が産まれて間もない頃に亡くなっている。
話したことすらない存在だったが、母の名だけは知っていた。
だから白ひげがその名を呼んだ時、ララは反応したのだろう。
マルコがその場にいる一番隊のクルーを目に止め、後から小舟でくるよう指示を出そうとした時。
くいくい、とララは彼を無言で呼び止める。
「?
どうした、嬢ちゃん」
『えっと…あのね…
シャルよんだらね、みんないっしょに島にいけるよ!』
「……呼べるのかい?」
『うん!
——シャル』
「——なんだ」
『——こっちにきてほしいの』
「——…わかった」
その声は耳から聞こえるというより、頭に語りかけるような感覚だ。
マルコは黙ってララの様子を見つめている。
そしてシャルとの会話を終えた彼女は目を開けた。
『シャル、来てくれるって!』
「そうかぃ。
じゃあ少し待つかねぃ」
マルコとララはシャルがモビー•ディック号に来るのを待った。
数十分、マルコの腕の中でララの身の上話を聞きながら。
未知な彼女からたいした話は聞けてないのだが。
.
くじらさん!』
「あれがオヤジの船だよぃ」
『おっきいー!』
ララはモビー•ディック号の存在にすぐ気づいた。
キラキラ瞳を輝かせ、指をさす。
二人は船へと急いだ。
マルコの空を翔けるスピードが少し早まった気がする。
—————
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「オヤジ、帰ったよぃ」
「グララララ、なんだァ?マルコ。ガキなんか連れてェ」
船に降り立ったマルコは背中にしがみついたララを一旦、甲板の上に降ろしてこの船の船長であるエドワード•ニューゲートの前に立った。
酒瓶を手に彼専用の大きな椅子に座っている。
マルコの服の裾を彼女はギュッと掴み、白ひげのその大きな身体に驚いてぽかん、と口を間抜けな表情で開けていた。
(…おっきい…)
マルコは今まで起きた彼の知る限りの事柄をこと細やかに、目の前の白ひげへ説明する。
その間、口を出さず静かに彼は話を聞いていた。
ララも大人しくしている。
「マルコ、そりゃステリア族だろう」
「?
ステリア族?」
「俺もよくは知らねェが…生まれつき風の力を操れる一族らしい」
「ほぉ…」
「そのガキ、クレアの娘だな」
『!』
「?
クレア?」
クレア。
その名にララは反応した。
マルコの身体の後ろに身を隠していた彼女だったが、ひょこっと顔だけ覗かせて白ひげを見る。
「………」
「で?
どうするよぃ、オヤジ」
「弔ってやれ」
「…了解。
一番隊の奴等適当に連れてくよぃ」
「好きにしろ」
マルコの問いに白ひげは答えなかった。
ただ亡くなった一族の弔いをしろ、と指示を出すだけで。
クレアという名はララの母親の名だった。
彼女が産まれて間もない頃に亡くなっている。
話したことすらない存在だったが、母の名だけは知っていた。
だから白ひげがその名を呼んだ時、ララは反応したのだろう。
マルコがその場にいる一番隊のクルーを目に止め、後から小舟でくるよう指示を出そうとした時。
くいくい、とララは彼を無言で呼び止める。
「?
どうした、嬢ちゃん」
『えっと…あのね…
シャルよんだらね、みんないっしょに島にいけるよ!』
「……呼べるのかい?」
『うん!
——シャル』
「——なんだ」
『——こっちにきてほしいの』
「——…わかった」
その声は耳から聞こえるというより、頭に語りかけるような感覚だ。
マルコは黙ってララの様子を見つめている。
そしてシャルとの会話を終えた彼女は目を開けた。
『シャル、来てくれるって!』
「そうかぃ。
じゃあ少し待つかねぃ」
マルコとララはシャルがモビー•ディック号に来るのを待った。
数十分、マルコの腕の中でララの身の上話を聞きながら。
未知な彼女からたいした話は聞けてないのだが。
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