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想い

「『………』」
「お前はどうなんだよぃ?」
『わかんないよ…
マルコはマルコだもん』
「そればっかだねぃ。いい加減逃げるな」
『……っ…』

強く問い詰めるような言い方だった。

もうこれ以上グダグダ、と長引かせるつもりはないらしい。

恐らく、ララがここ最近マルコに対して様子がおかしかったのは彼を意識していたせいだろう。

初めてのその感情に対処法がわからない彼女は彼を避け続けた。

ここまであからさまにするのも珍しい。

それ程、余裕がなかったのだろう。

「このままだと俺はお前の側にはいれねェよぃ」
『!
やだ!!』

ララは小柄な小さな手でマルコのシャツを掴んだ。

その表情は必死で今にも泣きだしそう。

「だったら正直になるんだよぃ。気づいてねェわけねェよなァ?俺の気持ち」
『……っ…それは…』

元々は頭のいい子だ。

マルコのあんなあからさまな態度をみれば、彼女はその気持ちに気づく。

それでもその感情に気づかないふりをし続けたのは今の関係が壊れてしまうのを恐れたからだろう。

『わたし…』
「……ゆっくりでいいよぃ。ちゃんと聞いてやるから」

マルコはララの頭を優しく撫でていた。

その表情は優しく、頑張って頬を赤らめなが必死に言葉を絞り出している彼女の姿を目を細めて見守っている。

ララがちゃんと自分の気持ちに気付き、口にしなければ意味がない。

マルコはそう思っていた。

でなければ彼女はずっと自分の気持ちに気づかないままだ、と。

心地よい、この関係に甘んじて。

『あのね…』
「うん…?」
『わた…し…マルコが…

………すき…?』
「なんで疑問系なんだよぃ」
『だっ…だって…!』

口にしたはいいものの、確信が持てなかったララは疑問を含んだ言い方だった。

マルコは思わず目尻を下げて笑みを溢す。

ようやく彼が気の抜けた笑顔を浮かべた瞬間だった。

「今はそれでいいよぃ」
『え…?』
「その代わり、もう俺から逃げるなよぃ?」
『……うん。

………』
「?
どうしたよぃ?」
『………もうマルコは…家族じゃなくなるの?』
「馬鹿。それは変わらねェよぃ」
『でも…』
「いいか、ララ。お前が例え船を降りようとも俺たちにとって大事な妹なのはずっと変わらねェ。

だがな、俺は妹以上にお前が大事なんだよぃ。意味、わかるか?」
『えっと……マルコも私がすき…?』
「ああ。そんな安易な言葉じゃ言い表せないほどにはな」
『?』
「とにかくだ。俺たちの関係は変わるが、家族に変わりはねェから安心しろぃ」
『………。
恋人同士ってこと?』
「俺はそうなりたいと思ってるよぃ。あとはお前次第だ」

恐らく、ララは今の関係性が壊れるのを恐れていたのだろう。

長年連れ添ってきたからこその怖さだ。

特に彼女には身寄りがいない。

家族という存在を人一倍、大事にしている。


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